世界最大の魚ジンベエザメ、主食はプランクトンだが実は魚群を狩る姿も目撃されていた
巨大でもおとなしい魚、ダイビングのときには近くまで接近することも
最大で12メートル以上にもなる現生で最大の魚類ジンベエザメは、さまざまなものをエサにする。ほとんどの海洋生物、そして私たちにとっても幸運なことは、このサメの大好物がプランクトンであるということだ。ジンベエザメは、水面近くで泳いでいる間、巨大な口で周囲を泳いでいる小魚とともにプランクトンを吸い込む。 【動画】魚群を狩るジンベエザメ、超貴重な映像 ジンベエザメに次いで、世界で2番目に大きな魚であるウバザメと同様、基本的にエサを濾過して食べる魚である。その恐ろしく巨大なアゴをつき出し、周囲のものをすべて吸い込む。そして口を閉じ、エラから水を吐き出す。濾過されて口の中に残ったすべてのものがエサになる。 とはいえ、2020年には西オーストラリア州にあるニンガルー沖で、ジンベエザメがマグロや他のサメ、海鳥などの他の捕食者と一緒になって魚群を狩る映像が撮影された。プラクトンだけでなく、イワシなどの小魚や時にはイカも食べることは以前から知られていたが、今ではジンベエザメはより複雑な狩りもすると考えられている。 ジンベエザメの頭は平たく、背中とわき腹は灰色や茶色で、青白い縦横としま模様の中に白い斑点があり、腹部は白色だ。2重に突き出た尾ビレの前には2つの尻ビレがある。 ジンベエザメは温暖な海域を好み、熱帯の海で繁殖する。毎年春になると、オーストラリアの中西部海岸の大陸棚へ向かって回遊することが分かっている。産卵場所であるニンガルサンゴ礁は、ジンベエザメに豊富なプランクトンを提供している。 ジンベエザメは巨大だが、おとなしい魚なのでダイビングのときには近くまで接近することもできるほどだ。絶滅の恐れがある危惧種リストに掲載されているが、フィリピンなどアジアの一部の地域ではいまでも捕獲されている。
ナショナル ジオグラフィック 日本版編集部