候補者の街頭演説を聞く有権者ら＝25日午前、千葉県松戸市（関勝行撮影）

衆院選は27日、投票が行われ、即日開票される。気になる投票率の行方も勝敗に影響を与えそうだ。各種情勢調査によると、千葉県内の小選挙区は接戦区が多く、各陣営は無党派層の投票行動に気をもんでいる。ただ、近年の県内の投票率は60％を下回り、低迷が続く。投票日の天候が投票率アップのカギを握る可能性もある。今回はどのような民意が示されるのか。 【リストでみる】夕刊フジが作成した「埼玉・千葉全選挙区当落予測」 千葉県選挙管理委員会によると、平成29年衆院選は選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、初めての選挙だったが、18、19歳の投票率は40・32％にとどまった。 前回の令和3年衆院選の年代別投票率をみても、66・32％の70代に対し、20代は年代別で最低の34・43％だった。約3分の2が貴重な投票権を行使しなかったことになる。30代も41・04％にとどまった。 このため、県選管は若者層の投票率向上に向け、啓発キャラクターの「せんきょ君」を前面に立てて懸命に投票を呼びかけている。 ■晴れでも投票率ダウン 投開票日の天候も一般的に投票行動を左右するといわれる。銚子地方気象台によると、平成29年衆院選の投開票日、千葉市は雨に見舞われ、県内全体の投票率は49・89％と過去最低を更新した。「雨が投票率に影響したようだ」（自民党県連幹部）。 とはいえ、荒天が投票率を押し下げる要因とは必ずしもいえない。26年衆院選の投開票日は晴れ。ところが、投票率は51・24％と低迷し、24年衆院選に比べて7・25ポイントもダウンしたからだ。 ■期日前も伸び悩む 一方、県選管によると、投票率のバロメーターともいえる期日前投票は今回、伸び悩んでいる。そもそも政権選択選挙ではありながらも、自民党派閥のパーティー不記載事件に端を発した政治不信が根強く、「棄権」する有権者が一定程度出ているとみられる。 衆院解散が断行されてから公示までの期間が短く、投票所の入場整理券の発送が遅れたことも、期日前投票の鈍い出足につながったようだ。 千葉市選管の担当者は「普段は公示や告示の前に整理券が届くようにしてきたが、今回は準備期間が短く発送が遅れた」と話す。市選管によると、期日前投票が始まっていた18日までに有権者の手元に届くように発送したという。

千葉県の熊谷俊人知事は24日の記者会見で、低調な期日前投票について「憂慮している。最終的に投票率のダウンにつながらないよう、努力しなければいけない」と述べ、整理券がなくても本人確認ができれば投票できることを周知する考えを示した。