中国の信用拡大、3月はペース鈍化-新規融資も予想下回る
(ブルームバーグ): 中国の信用拡大ペースは3月に鈍化し、銀行融資も予想に届かなかった。中国人民銀行(中央銀行)が金融政策の緩和を控える中で、依然として弱い借り入れ需要を反映している。
経済全体のファイナンスはストックベースで前年同月比で8.7%拡大したが、2017年のデータ開始後で最も鈍い伸びを記録した。
人民銀が12日発表したデータに基づくブルームバーグの集計によると、新規融資は3兆1000億元(約65兆5300億円)。エコノミスト予想の3兆6000億元を下回った。融資の伸びは03年のデータ開始後の最低ペースとなった。
3月は銀行が貸し出しの四半期目標を達成しようと競い合うため、一般的には好調な月となる。
だが、長引く不動産不況と新たな成長エンジンへのシフトが進まない中で、消費者と企業は借り入れに消極的になっている。中国経済全体でここ数カ月、物価の伸びが弱いことも融資の増加ペースを鈍らせている。
パンテオン・マクロエコノミクスの中国担当チーフエコノミスト、ダンカン・リグレー氏は融資の伸び鈍化について、「新築住宅販売の減少や春節(旧正月)連休後の個人消費鈍化によって、信用需要が低迷していることを示している」と指摘した。
3月のマネーサプライ(通貨供給量)統計では、M1は前年同月比1.1%増と、ここ2年余りで最も低い伸びにとどまった。貯蓄性預金を多く含むM2は8.3%増と、21年9月以来の低い伸び率。
原題:China’s Credit Expansion Keeps Slowing as Loans Disappoint (2) (抜粋)
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