寒空でも福求め次々と 十日えびす にぎわう、和歌山県みなべ
和歌山県みなべ町西本庄の須賀神社(前芝弘知宮司)や同町埴田の鹿島神社(亀井隆行宮司)で9~11日、商売繁盛や豊作、家内安全を祈る新春行事「十日えびす」が営まれている。「本えびす」の10日は雪がちらつく寒い日となったが、福笹や縁起物を求めて次々と参拝者が訪れた。 【責任感持った大人に 二十歳を祝う会、和歌山県みなべ町の記事はこちら】 ■須賀神社 須賀神社では、福娘9人が鈴を鳴らして参拝者に福笹や縁起物を授けた。 受け取った同町徳蔵の農業、片岡郁子さん(71)は「(昨年は)梅に関係する業界にとっては苦しい1年だったと思う。梅が多く実り、価格が安定するよう願った」と切実な思いをにじませた。 9日朝には本殿祭があり、戎奉賛会と持ち回りの当家が紅白の重ね餅を奉納した。副会長の木下登吉男さん(53)は「昨年は能登半島地震など、暗いニュースが多かった。今年は明るい話題にあふれ健康に過ごせる良い年になってほしい」と語った。 ■鹿島神社 鹿島神社では2人の福娘が、参拝者に福笹や縁起物を授けた。3千~5千円のものが多く出ているという。 同町芝、農業資材販売業の上野友和さん(57)は「昨年は梅の凶作の影響で資材の売れ行きも悪かった。今年は梅をはじめとした農作物が順調に育ち、商売も堅調にいってほしい」と話した。 境内では福笹や縁起物を授かった人を対象に焼き芋の振る舞いがあり、参拝者に喜ばれていた。
紀伊民報