トライアウト舞台裏…「パパー!」号泣する息子や新潟ユニの陽岱鋼、“5年前の戦力外投手”は最速151キロ「今回で終わりと決まったわけでは」
カープ連覇に貢献の岡田、“独立L徳島対決”も
7人目は広島・岡田明丈、2年目の2017年に12勝してカープの連覇に貢献したが、2019年から勝利に恵まれなくなった。陽岱鋼を空振り三振、巨人の前田研輝を遊ゴロに切って取る。 「スタンドから応援の声がかかって、ちょっとびっくりしました。痛めた肘自体の不安はほとんどなくなっています、今日はアピールできたと思う」 物静かで控えめなタイプの選手だとわかる。ただ、しっかり調整はしてきたようだ。 11人目、広島の行木俊は、筆者には思い出深い選手だ。徳島インディゴソックス時代にも、広島のドラフト指名時にも話を聞き、キャンプでも話した。昨年のトライアウトも受けて、今年は独立リーグ北九州で投げ、今年、再びの参加となった。トライアウトは2回しか受けられないため、これが最後になる。カープのユニフォームで臨んだ行木は、西田明央を歩かせたものの、同じ独立リーグ徳島出身の村川凪を三邪飛に打ち取った。 「怪我もあってプロ1年目はダメで、2年目、3年目はある程度投げられたけど戦力外になりました。(北九州に行き)もう一度プロという気持ちで1年間頑張って、怪我もほぼなく投げられてある程度結果も残せたのですが、声がかからなかったのでトライアウトを受けることにしました。トライアウトは、スカウトさんとか関係者がいる中で、アピールできるいい機会だと思います」 伊藤翔と同じ千葉の横芝敬愛出身。球場の外では、両親や家族に出迎えられ、にこやかな笑顔を浮かべた。現役続行を口にしたが、彼も「やり切った感」のようなものが感じられた。
楽天・清宮は最速154キロをマークした
12人目の左腕・桜井周斗はDeNA時代は中継ぎで活躍したものの、現役ドラフトで移籍した楽天では8試合に投げたのみ。曽根海成を三振、菅野剛士はフルカウントから四球を選ばれた。 「約1カ月、トライアウトに向けて練習をしてきて、1人目で結果が出せたのはすごい良かったと思います。コントロールを全般に見直しました。もしかしたら最後になるかもしれないマウンドで、力が出せたのは良かったと思います」 周囲が沸いたのは16人目、楽天の清宮虎多朗だった。 鈴木将平には右前打を打たれたが、菅野剛士を154km/hの速球で空振りに切って取った。 「いい調整ができました。シーズン中よりもいい状態かな、というところまで仕上げることができました。やってきたことをしっかりやるだけという気持ちでした。最後はフォークを安打されましたが、いい球が投げられたんじゃないかなと思います」 最速161km/hの右腕は健在だった。
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