セ優勝争いは混とん…今日から天王山の広島3連戦、岡本和真と坂本勇人の奮起がカギ【柴田勲のコラム】
以降もカギを握るのは岡本和
こんな試合は何年間に一度だ。だからこそ翌日の試合はモノにする必要があった。だけど先発のヨアンデル・メンデスが3分の1回を25球、4失点でKOだ。勝負あった。 岡本和の悪送球やらメンデスのけん制悪送球が絡んだが、ガッカリしたのが3四球だ。野球にエラーは付き物だ。でも、ベンチから見ていて四球はどうしようもない。 阿部慎之助監督が試合後、取材対応をしなかった。2度目だという。無理もない。 いつもは菅野が日曜日に投げるが、10日に回すためにメンデスを起用した。今季2度目の先発だった。 メンデスは先発投手の第6候補だった。必要なのは球の速さ、球威、変化球の多さなどではなく、まずは制球力の良さだ。とにかくストライクを先行させて四球を出さない。そういう意識はあったか、またベンチもそうやって送り出したかだ。 いずれにせよ、広島3連戦はもちろん、以降もカギを握るのは岡本和だ。5日のヤクルト戦、エース戸郷翔征の力投と岡本和の3ランで勝ち、連敗を2で止めた。 4番が打てば勝つ。どこのチームもそうだが特に巨人はそんなチームになっている。
天王山を迎えた巨人
岡本和は8日も4タコだった。チャンスでは三振に倒れている。気持ちばかりが前面に出てタイミングが合っていない。 坂本は速い球に遅れている。元々、前さばきができる選手だ。低めの球をうまくすくって左、左中間にもっていく。いまはできていない。20代にはできたことが30代中盤にもなると、肉体的なものもあってできなくなる。本人は苦しんでいると思うが、優勝にベテランの力は必要不可欠だ。 8日の試合でスタメンから外れたので休養を取り、マツダで頑張ってほしい。首脳陣の願いだろう。 岡本和と坂本。野手陣では、なんといってもこの二人が頼りになる。 巨人は今季、マツダで1勝4敗2分、このところ魔物がどうのこうのと言われているがそんなモノはいないし、巨人ナインも一切、思っていないだろう。 10日からは甲子園では阪神とDeNAの3位争い直接対決3連戦。巨人は前述通り、天王山を迎えた。2勝1敗で勝ち越すと信じている。(成績などは9日現在) 柴田 勲(しばた・いさお)1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。 デイリー新潮編集部
新潮社