【大学野球】渡辺憩がサヨナラ本塁打! 勢いのある1年生がチームを活気づける慶大
甲子園でも多くの取材を経験しているはずだがこの日、殊勲者として、大勢の報道陣に囲まれると、渡辺憩はこう発言した。 「ヒーローになったことがないので……。経験できたことは、光栄に思います」 謙虚に語ったが、昨夏の甲子園での107年ぶり2度目の全国制覇は、不動の正捕手なくしてあり得なかった。まさしく、黒子に徹した影の立役者である。堀井監督は2月の練習合流時から「レギュラー争いができる」と太鼓判を押していた。堀井監督は続けた。 「能力が高い。捕手としてもデータに興味があると聞いています。どこかで、チャンスが来るのではと考えていました」 慶大は勢いある1年生が、チームを活気づけている。4年生の雰囲気づくりの良さも、下級生が力を発揮しやすい土壌としてある。秋春連覇がかかる慶大だが、言うまでもなく、2023年とはまったく別のチームである。選手掌握に長ける堀井監督、リーダーシップ抜群の主将・本間颯太朗(4年・慶應義塾高)の下で一戦一戦、たくましさを増している。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール