【日本株週間展望】戻り試す、米景気懸念が和らぐ-自民総裁選も注視
(ブルームバーグ): 9月4週(24-27日)の日本株は戻りを試す見込み。日米金融政策が決まり、相場環境の先行き不透明感は後退。米国景気の停滞懸念や外国為替市場の円高に対する警戒感は和らぎそうだ。半面、次期首相を事実上決める自民党総裁選の投開票がある27日に近づくと、投資家は慎重な姿勢になりやすい。
3週の東証株価指数(TOPIX)は週間で2.8%高と3週ぶりに反発した。為替市場で円高推移が一服。米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅利下げを決めた後も円相場は軟調に推移し、買い安心感が広がった。
4週は金融当局者からの情報発信が相次ぐ。日本が祝日の23日はアトランタ連銀総裁、26日はパウエルFRB議長やバー副議長、ニューヨーク連銀総裁などの発言が予定されている。政策による景気下支え効果への期待が継続すれば、米国株高や為替の安定を通じて日本株にもプラスに働きやすくなる。
自民党総裁選には波乱リスクがある。報道各社の調査によると、石破茂元幹事長、小泉進次郎元環境相、高市早苗経済安全保障担当相の3氏による上位争いの構図。過半数獲得の勢いがある候補者はなく、決選投票になる可能性が高い。石破氏は金融所得課税の強化について過去に発言したことがあり、総裁に決まれば、株式市場で逆風となる政策が進むと嫌気した売りが出ることもあり得る。
《市場関係者の見方》
セゾン投信の山本潤運用部長
米国株式市場でS&P500種株価指数などが最高値を更新し、日本株もキャッチアップしそうだ。為替市場のドル・円相場は落ち着きそうで、日本株の業績波乱要因は当面なくなった。米国は景気を下支えする利下げの余地が大きい上、利下げ幅を今回小さく刻まなかったので為替の先行きが読みやすくなった。バリュエーション(株価評価尺度)面での出遅れ感を返上しそうだ。自民党総裁選は金融所得課税の話が出ない限り、株価への影響は乏しいだろう。
--取材協力:横山桃花.
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Toshiro Hasegawa