原子力も最大限活用 政府のエネ政策転換(福島)
福島放送
原発事故の被災地からも賛否の声が聞かれた、政府のエネルギー政策の大きな転換についてお伝えします。 政府は17日午後、エネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の改定案で、再生可能エネルギーとともに原子力も最大限活用する方針を示しました。 新たな計画の原案では、太陽光や風力などの再エネを初めて最大の電源に位置づけました。 電源構成では再エネを「2040年度に4割から5割程度」に引き上げ、火力は「3~4割程度」とします。 原子力は引き続き「2割程度」としつつも、「可能な限り依存度を低減する」という文言を削除し、廃炉となる原発の建て替え条件を「同じ敷地内」から「同一事業者の原発敷地内」に緩和しました。 双葉町の農家・木幡治さんは、原発事故の教訓はどこへ行ってしまったのかと疑問を呈します。「何のために事故が起きて、我々避難していたのかと、もう13年もね。驚きですよね、あれほど震災当時、原発はこれほどひどいんだという災害を全国の皆さん見ているわけですから。」 一方、同じ双葉町民からは「電力・エネルギーそういうものが不足、そうなればやはり廃炉にしたくても出来ない部分、活用しないといけない部分、それは当たり前のことだと思う。」「これから10年後20年後を考えた場合に、新しいエネルギーが出来るまでには、まだちょっと時間がかかるかなと思う。」「今の原子力をある程度有効利用していかないと、電気料金がどんどん上がっちゃう。」など政府の方針に理解を示す声も聞かれました。 政府は今回の見直しについて、デジタル化などで電力需要が増加し、脱炭素電源の確保が不可欠だと説明しています。