値下がり損の呪縛から解き放たれれば長期投資に成功する
高配当株の長期投資では、値上がり益や値下がり損の呪縛からいかに逃れられるかが大きなキーになる(イメージ写真:taa/PIXTA)
8月から9月上旬の大暴落で慌てて損切りをしてしまったという個人投資家が多いのではないでしょうか。新NISA(少額投資非課税制度)開始で高まった「貯蓄から投資へ」の機運に冷や水を浴びせられた格好です。しかし、元経済誌編集長でフリージャーナリストの川島睦保さんはこんなときこそ株式投資の原点に立ち返り、「トップ企業で予想配当利回りが高い銘柄を長期保有する」シンプルな投資手法を推奨しています。そこで会社四季報オンラインでは、短期集中連載として「無理なく儲ける高配当株投資」を4回に分けて配信。第3回は、ある失敗例から個人投資家が陥りやすい轍を示し、「長期・積み立て・分散」の大切さについて解説します。本欄の終わりには川島さんの推奨銘柄も紹介します。第1回: 株価急落でも冷静でいられるための「決めごと」とは何か 第2回: 「高配当利回り銘柄」が長期保有に適している4つの理由 インターネットで偶然、「退職金3000万円をつぎ込んで『高配当株投資』を始めた65歳男性の末路」という記事が目にとまった。今回の連載で私は、業界の「トップ企業」で「予想配当利回りが高い銘柄」を「長期」に保有するシンプルな投資手法を推奨してきただけに、「高配当株投資」の「末路」という言葉はさすがに素通りすることができなかった。 私は、この65歳の男性は高配当株投資について、いくつかの重要な”過ち”を犯したと思っている。彼の失敗の教訓は、これから高配当株投資を始める読者の参考になる。少し長くなるが、65歳男性のその顛末をかいつまんで紹介しよう。
本文:3,199文字
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川島 睦保