今のままでは住めない…降雪期控え不安 酒田市と大沢地区住民が「ミーティング」
7月の大雨災害の復興などで、酒田市の基本的な指針となる「復旧・復興方針」の策定に向け、市が被災者の意見を直接聞く「地域ミーティング」が27日夜、同市大沢コミュニティセンターで初めて開かれた。住民からは、市が示した方針案を一定程度評価する声もあったが、降雪期を控えた不安や、より迅速な復旧を求める意見も出された。 市からは中村慶輔企画部長らが出席し、大沢地区の住民約20人が参加した。方針案は本年度から2028年度までの5年間を推進期間とし、「誰も取り残さない被災者支援」「今後も住み続けたいと思えるまちを目指す」などを基本理念としている。住まいと暮らしの再建▽社会インフラの復旧・機能強化▽地域産業や地域活力の再生▽災害対応の検証に基づく防災対策の強化―の4項目が柱となっている。 住民は基本理念に理解を示し、4項目の推進についても異論はなかった。一方、「より迅速な復旧をお願いしたい。今のままでは恐ろしく住み続けられない」などの意見が出た。降雪期を前に、被災家屋が積雪で倒壊する懸念があることや、いまだに片側通行の道路もあり、安全な除雪ができるかなどの質問もあった。こうした不安や「今後も寄り添い、意見を聞いてほしい」との要望に対して、市の担当者は「市被災者生活支援・地域支え合いセンターで不安を直接聞き、対応していく」と答えた。
会合後、北青沢の農業斎藤新一さん(75)は「市の考え方を聞くことができて良かった。農業が続けられるようにしてほしい」と語った。地域ミーティングは今後、西荒瀬地区や、松山、平田両地域などでも開催。市は被災住民の意見を踏まえ、来年1月に方針を策定する。