【忽那健太のスコットランド挑戦記 #6】夢の舞台が消滅。が、燃え上がっています。レイドロー氏と対面。マレーフィールドでプレーしたい!
皆さんこんにちは。 現在、イギリス北部のスコットランドで活動中の忽那健太(くつな・けんた)です。 私は今、国内最高峰セミプロフェッショナルリーグでの日本人初契約獲得を目指して挑戦しています。 昨年の9月から続いたクラブトップリーグは全18試合を終えました。 所属先のヘリオッツラグビークラブは全10チーム中、5位でフィニッシュ。惜しくもトップ4のみが進むことのできるプレーオフ(優勝決定トーナメント)進出は叶いませんでした。 しかし、個人としては毎週火曜日にスコットランドラグビー専門Webサイト「オフサイドライン」で発表される週間ベスト15に3度ノミネートされるなど確かな手応えを掴みました。
セミプロリーグ挑戦には今季のアマチュアリーグでしっかりとした結果を残すことが絶対条件だっただけに自信を掴んだシーズン。「さぁこれからだ!」と思った矢先、驚きのニュースが耳に入ってきました。 スコットランドラグビー協会が今年春をもって、セミプロフェッショナルリーグを解散(消滅)することを決定したのです。 まさにこれからというタイミングでのリーグ消滅でした。 以前からリーグ運営、特に財政面に問題を抱えていたようで、苦渋の決断だったとクラブトップの方に聞きました。 公式発表内容には、今後また新リーグ誕生も検討中とありました(時期は未定)。 「無念」の一言に尽きます。 夢は思わぬ形で途絶えることとなってしまいました。 ニュースを知った数週間は失意で落ち込んでいましたが、辛いことばかりではありませんでした。 現在ジャパンラグビー リーグワンの浦安D-Rocksでコーチを務めているグレイグ・レイドロー氏に「会いませんか?」とSNSを通じてメッセージをいただき、スコットランドに帰国されたタイミングで食事に誘っていただきました。
「君のことは度々、スコットランド関係者から聞いていました。一人でこの国に来て挑戦したことには大きな意味がある。決して無駄ではないよ」と励ましのお言葉をいただきました。 この人に憧れてこの国に飛び込んできたということもあり、まさに夢の時間を過ごすことができました。 2023年の5月から始まったこのチャレンジ。家なし、仕事なし、所属チーム未定の状態からスタートしましたが、志があれば必ず道は拓けていくと信じていました。 目標だったプロリーグでの契約獲得は叶いませんでしたが、飛び込んでみなければ得られなかった貴重な経験を積むことができたと思っています。 この先については一切白紙となりましたが、以前より心は燃え上がっています。 試練という名の『成長するチャンス』が来たなと感じています。 このスコットランド挑戦にはテーマがありました。 『やるか、めっちゃやるか』 最初から一筋縄ではいかないことは覚悟していました。まさに今、その言葉の原点に戻ってきた感覚があります。 これからの人生を、さらに本気で生きていく覚悟が決まりました。 ラグビーという競技から、何度も立ち上がることの大切さを学んできくした。もう一度自分の心がワクワクするゴールを立てていこうと思っています。
現在は、4月から行われる別大会に向け、チームでトレーニングを続けています。 大会決勝の舞台はスコットランドラグビーの聖地マレーフィールド。勝ち上がって、最高の舞台でカップを掲げたい。 仲間たちと最高に美味しいビールを飲むことが目標です。 これからも日本人としての誇りを持ってラグビーと向き合っていきたいと思います。 (文:忽那健太)