新幹線の台車亀裂でJR西日本が会見(全文1)極めて重要な部位に亀裂や油漏れ
東海道・山陽新幹線の台車に亀裂が見つかった問題で、車両を保有するJR西日本が19日午後2時から記者会見した。 ※【大枠のところ 00:05:50】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「【中継録画】新幹線の台車亀裂問題でJR西日本が記者会見」に対応しております。
新幹線の台車に亀裂等が発見された重大インシデントについての説明
司会:本日はお忙しい中お集まりいただき申し訳ございません。これより、新幹線の台車に亀裂等が発見された重大インシデントについてご説明いたします。説明者をご紹介します。代表取締役副社長で鉄道本部長の吉江則彦でございます。続いて執行役員、新幹線管理本部長の森川国昭でございます。それでは冒頭、副社長の吉江より、お願いします。 吉江:2017年12月11日、東海道新幹線名古屋駅にて運転を取りやめたのぞみ34号、これは弊社所有の車両でありますが、この台車に亀裂等が発見されるという極めて重大なインシデントを引き起こしてしまいました。本件は新幹線の安全性に対する、皆さまからの信頼を裏切るものと認識しており、日ごろ新幹線をご利用いただいているお客さまをはじめ、関係する多くの皆さまに深くおわび申し上げます。 またJR東海をはじめ関係機関のご協力の下、12月18日までに当該編成を名古屋駅14番線から車両所に収容しましたが、これまでの間、列車に遅延を生じさせてしまいました。本件は、運輸安全委員会が発生原因の調査を行っており、弊社は全面的に協力するとともに、弊社としても原因の調査を行い、把握した事実を基に考えらえる再発防止を迅速に講じてまいります。
森川新幹線管理本部長による亀裂箇所等の説明
司会:続いてこれからの説明は新幹線管理本部長の森川から行いますが、50分程度お時間をいただきますので座ってご説明させていただきます。 皆さまからのご質問はそのあとで一括してお受けいたします。よろしくお願いいたします。それでは本部長の森川よりご説明いたします。 森川:はい、それではご説明をいたします。資料の、新幹線車両の台車に亀裂等が発見された重大インシデントについて、ということでございます。で、1の概要のところでございます。2017年12月11日月曜日、のぞみ34号、博多13時33分発。東京には18時33分に到着予定ですが、16両編成において、走行中に異臭と床下からの異音を認めたため、17時3分ごろ、名古屋駅で床下点検を実施しました。点検の結果、13号車、歯車箱付近に油漏れを認めたため、前途運休としました。また、その後の点検において当該台車に亀裂、および継手の変色が確認されました。 2として、車両に関する事実でございます。別紙1をご覧ください。別紙1は、台車の概要でございます。上に、13号車の車両の絵が出ております。のぞみ34号は16両編成です。で、東京方から16号車、博多方が1号車となります。従いまして13号車は前から4両目ということになります。この前から4両目の13号車の前寄りの台車、1両に台車が2つ付いておりますけれども、前寄りの台車が該当する台車ということになります。その台車を拡大した絵が下の絵になります。構造を含め少し説明をさせていただきますと。 司会:ちょっとお待ちいただけますか。 男性:すいません。マイク。 森川:すいません、失礼しました。この絵の中で、黄緑色に塗ってある機器、これがモーターであります。で、このモーターは、交流2万5000ボルトを受けて回転力を生み出します。そのモーターの回転力は継手、継手というのは、青色で塗ってある機器でございます。この継手を経て歯車箱、これは黄色で塗ってある機器です。この歯車箱の中にある歯車を回転させ、それによって車軸を回転させる。車軸というのは車輪とともにピンク色で塗ってある機器でございます。 で、その車輪、車軸の回転を支えているのが軸箱という赤色の機器でございます。で、この赤色の軸箱は、白色の台車枠、この台車の枠組み、一番【大枠のところ 00:05:50】ですけれども、それにばねで取り付けられています。これがおおまかな構造ということでございます。で、モーターから継手、歯車箱、輪軸、軸箱、台車枠、という形で力が伝わってまいります。 で、次のページをご覧ください。で、台車枠の亀裂についての説明でございます。台車枠を上から見た図、横から見た図ということで、上面、側面という絵を付けております。側面、すいません、失礼しました。台車のおおまかなサイズを申し上げますと、長さが3.3メートル、で、幅が2.1メートル。で、その側面にありますはりの高さが170ミリ。ちょうど亀裂のあったところですけども170ミリ、幅が160ミリ、そういうサイズです。で、材質については、溶接構造用圧延鋼材という、溶接するのに適した鋼材、鋼板、板でございます。この8ミリ厚の鋼板によってこのハリが形成されております。 で、横の小さい写真ですけれども、見ていただきますと、先ほどの170ミリの幅の側面のハリ、側バリと言いますけれども、側バリのばねに近いところに下から亀裂が入っております。で、この大きさ、亀裂の大きさでございますけれども、この側面、今、写真で見えてる部分です。これが約140ミリになります。で、この下面、底面ですね、底面が幅が160ミリということで、写真では見えてませんけれども、上面図を見れば点線で描かれているところです。ですから上向きにコの字の形で亀裂が発生をしているということでございます。で、台車自体の製造年は2007年ということでございます。 続きまして3ページをご覧ください。ここで言います黄色の、これ、歯車箱という機器でございますけれども、こちらに油脂が付着をしており、いうことでございます。で、一番左側の写真で申し上げますと、下に少し見えるのがレールと車輪です。で、その手前に歯車箱っていうのがあって、その左側のほうが少し黒くなっているのがご覧いただけるかと思います。こちらに油脂が付着しているということです。 続きまして、継手の話です。継手は先ほど申し上げましたとおり、青色の機器です。モーターと歯車箱をつなぐものです。で、こちらにあります真ん中の写真を見ていただきますと、左側がモーターになります。モーターに近い部分のその継手、2つに分かれてる継手になりますけど、半分が少し黒く光って見えるかと思います。これは金属が変色をしてるっていう状況です。本来はこの右手の半分の少しさびがかった色ですけども、こういったのが普通の色になります。それがそういう黒っぽいものに変色してるということです。 もう1つ、一番右の図ですけれども、その継手に油脂の付着ということで、こちらは歯車箱側の継ぎ手になりますけども、少し歯車箱に近いところで油が漏れてるのが見て取れます。継手自体は、あの、大きさ自体は約250ミリの、25センチぐらいの直径のものになります。 続きまして本紙のほうで言いますと、3、関係者の供述に基づく事実、ということでございます。これまでに関係者に対して聞き取りをしております。当日の博多を出てから新大阪に至るまでの車内での状況、あと、指令とのやり取りについて確認をしております。それらを今、確認をしてる段階でございますけども、例えば発言の真意でありますとか、その背景にあるものを含めて、大人数になるものですから慎重に今、調査を進めておるところでございます。 で、下に丸で5点、書かせていただいてますけれども、こちらにつきましては、これまで情報を提供させていただいている事柄ということになります。で、これも含めまして、関係者に対する聴取、あるいはそのやり取りも含めて、その真意、背景について慎重に調査を進めてまいりたいと思っております。その結果につきましては今後、あらためて公表させていただきたいというふうに考えております。 少し中身をご説明をさせていただきます。1つ目の丸。小倉駅の発車時、7、8号車でパーサーおよび客室乗務員より焦げたような臭いがするという申告がありました。で、パーサーというのは車内販売員になります。で、客室乗務員というのは、いわゆるドア扱いをやらない、しない車掌業務をする乗務員になります。 臭いが、これに対して車掌が点検を行っております。で、その車掌は東京指令所の指令員に報告をしております。東京指令所っていうのは山陽新幹線の運行管理をつかさどる部署でございます。14時30分ごろ、指令員の、岡山支所に対して車両保守担当社員の出動を要請を指示しています。岡山支所っていうのは博多総合車両所の岡山支所というのが正式な名前でございますが、新幹線車両の検査修繕を行う箇所でございます。こちらの車両の専門家を出動要請をしております。