新幹線の台車亀裂でJR西日本が会見(全文1)極めて重要な部位に亀裂や油漏れ
今後の対応
今後の対応でございます。原因究明に向けた調査を継続ということですけども、調査結果を踏まえて恒久対策を決定いたしますけども、現在のところまだ、詳しい原因といいますか、どこから亀裂が生じたかとか、どういうメカニズムになったのか。あるいは、どういうふうに進展していたのかについてはまだ調査中でございまして、まだ分かりません。当面の間、今、現行、走行している車両については、この仕業検査ごとに当該部位の目視点検を継続してまいります。 これは目視点検、仕業検査のときには外観の異常ないかどうかと確認するんですけど、この部位については特に注意して、しっかり見るというようなやり方を取って、仕業検査や点検してまいります。 それから、2番目に書いてあります運用間合というのは、人間の目だけではなくて、運用前に当該箇所に、例えば非破壊検査等によって、本当に微少な傷がないかどうかというようなことを検査することにしておりますが、これはまだ、方法がきちんと決まっているわけではありませんけども、今のところの見通しですと、1月中ぐらいにはこれを全部やりたいというふうに考えているところでございます。 それから本来この台車枠の検査は、全般検査とか台車検査できちんと行うものです。先ほど台車の説明がございましたけども全般検査、あるいは台車検査のときには、台車全体に付いているものの中から、輪軸といいますけど、車輪とか車軸ですね。こういうものを外したり、モーターを外したり、あるいはばねを外して枠だけにした状態で検査をいたします。そこで検査して、その箇所、そこでしっかり見るということにしておるんですけども、そのときに非破壊検査等によって本当に微少な傷がないかどうかということを詳細に検査する。こういう対策を取ってまいります。 また、そういう検査だけではなくて、次に書いてございますのは、走行中車両の異常を検知するような方法を考えたいということでございまして、次のページを見ていただきますと、走行中の車両の異常検知の検討をしてございます。これには2種類、今、考えているんですけども、車上からの異常検知、車上の中で例えばここに赤で塗ったような部分ですね。こういうものについては、異常が検知できるというふうに思っておりますので、この異常を検知する方法を検討いたします。また、今回、そこに書いてあります軸受けですとか、歯車装置、継手、主電動機、ここの異常を検知するような方法を検討いたします。それと同時に今回、台車枠に亀裂が入りましたので、台車枠の亀裂が分かるようなそういうシステムを検討してまいります。この検知システムによって、運転台に表示をさせて、それによって運転手が止める、こういうことにしたいと考えています。 それから、下に書いてございますのは、それだけではなくて地上から、走っている、走行している車両についてどういう状態であるのかということを検知するようなシステム、これを検討してまいりたいと思います。これについても現在、一部のものについては測れるということが分かってるんですけど、これはもう少ししっかり検討した上で、導入してまいりたいというふうに考えているところでございます。 それから次に社員教育と書いてございますが、これについては別紙4でございます。これは主に指令所の中での話ですけども、今回の関係者の供述に基づく事実って、先ほどご説明しましたけども、まだ詳細が分かってないとこございますけども、しかしながらやはり当社としますと、異常があったということについて列車を止めることができなかったということが大きな反省点だと思っています。ですからここに書いてありますように、異常がないことを確認できない場合はちゅうちょなく列車を止める。これを徹底するということ。これはやはり安全最優先ということを、引き続き行っていきたいと、こういうことでございます。 それから、その次に書いてございますのは、もう少しそれを仕組みとしてしっかりしてなきゃいけないということでございまして今回、音でありますとか、ぼやという情報もありました。あるいは臭いという情報もありました。それぞれ、例えば音が発生した場合にはどうするっていう、そういうマニュアルといいますか、それはあるんですけども、ところが音っていうのは列車の中でいろんな音がします。例えば空調の音ですとか、走行にそう関係ない音もあって、そういうものについてはこうするっていうのは決められているんですけども、少なくとも分からないものについてはすぐ止めるというようなことをやるだとか、あるいは2つ以上の音ともやと臭い、こういうもの、2つ以上が発生した場合にはもうすぐ止めるんだと。それはもう異常と、こういう判断をして、こういうときにはただちに運転を見合わせる。こういうことを徹底していきたいということでございます。 それから最後に書いてありますが、音というのは、最後に書いてありますが、音というのは、最終的に乗務している車掌から伝わるわけですけども、車掌の感じる音と、それから司令員が判断する音というものがなかなか区分できないといいますか、カタカタ音といったら、どういう音なのかって分からない部分もございますので、そういうものもお互いに分かり合えるようにするということで、少しコミュニケーションツールなんかを活用するというようなことも考えていきたいということでございまして、こういうことを続けて、今後に向けてやっていきたいということで考えています。 以上に加えまして、社長を委員長とする「新幹線安全性向上委員会」というのを12月16日から立ち上げました。ここでは本件の原因究明、それから再発防止ということの調査を行い、そこでの対策を策定するということと、それと同時にもっと広い意味で考えて、新幹線の安全を守るためにどうしたらいいのかということの議論を行って、新幹線の安全性向上を図ってまいりたいと思います。以上がご説明でございます。あらためまして、このような事故を起こしたことに、関係者の皆さまにはご迷惑を掛けたことに対しまして、おわびを申し上げたいと思います。 司会:私どもからのご説明は以上でございます。それではこれより皆さまからのご質問をお受けいたします。ご質問のございます方は、恐れ入りますが会社名と名前をお伝えいただきまして、ご発言いただければと思います。ご質問ございますでしょうか。では右側の正面の方。 【連載】新幹線の台車亀裂でJR西日本が会見 全文2へ続く