蔵王温泉高湯通り、にぎわいもっと 旅館の若手経営者ら、新会社設け飲食店開店へ
山形市蔵王温泉の遊休不動産の利活用などを目的に、温泉街の若手経営者らが新会社「Yuge(ゆげ)」を設立し、温泉街の高湯通りに直営のまんじゅう店と、テナントで食堂が入る店舗を今冬オープンさせる。地域内外の人が楽しめるようなにぎわい創出を目指す。 高見屋旅館の岡崎博門社長(34)と、都市計画やまちづくりなどを手がけるヒトトバデザイン(東京)の井上貴文社長(34)が連携した。慶応大在学時からの友人で、井上社長は十数年前から何度も蔵王を訪れている。2人は東日本大震災や新型コロナウイルス禍を経て、温泉街の商店や飲食店がなくなっていく様子に危機感を覚え、今年5月に「Yuge」を設立。両者が代表取締役となり、開店に向けて準備を進めてきた。 場所は蔵王温泉バスターミナルのすぐそばで、民宿経営と稲花(いが)餅を販売していた空き店舗を活用した。築60年ほどの地下1階・地上2階建ての木造で、1階部分約100平方メートルをリノベーションした。旧店舗名を引き継ぎ「丸伝商店」とする。直営の「高湯饅頭(まんじゅう) 湯ノ香」のほか、テナント2区画分があり、うち1区画は定食などを提供する「山形蔵王温泉食堂」の出店が決まっている。事業費は約1500万円。クレジットカード大手アメリカン・エキスプレスによる中小店舗支援プログラムに応募し、550万円の支援を得た。
12月20日にまんじゅう店がプレオープンし、来年1月18、19日のイベントを経て同月20日に食堂も含めてグランドオープンする。岡崎社長は「地元だけでなくさまざまな人が関われるようにしていく」と話す。井上社長は「面影を残しながらリノベーションし、次につないでいけるような場所にしたい」と期待を込める。