「美容室」倒産が急増 1‐4月は最多の46件 人件費や美容資材の価格上昇が経営を直撃
2024年1-4月の倒産 10年間で最多ペース
今年1-4月の「美容室」倒産は46件(前年同期比48.3%増)発生し、2015年以降で最多記録を更新した。1-4月の「美容室」倒産は、2019年まで30件前後で推移していた。しかし、コロナ禍では在宅勤務やテレワークが広がり、顧客が美容室に行く回数を減らすなど厳しい状況が続いた。ただ、コロナ関連のゼロゼロ融資などの資金繰り支援で、倒産は2020年28件→2021年23件→2022年22件と低水準で推移した。 経済活動が平時に戻った2023年に入ると円安が加速し、空前の物価高、人手不足に見舞われ31件と一気に増勢に転じ、2024年は初めて40件を超えた。 人手不足と人件費の上昇で美容師の確保も難しくなるなか、水道・光熱費や美容資材の価格も上昇し、カット料金の値上げが避けられない状況にある。実質賃金のマイナスが続くなか、値上げは顧客の足が遠のく要因になりかねず、美容室の倒産はしばらく増勢が続く可能性が高い。