植田日銀総裁、米次期政権の政策や春闘注視-利上げ巡る姿勢変わらず
一方で総裁は、経済・物価の改善が続けば、「それに応じて、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが必要になる」と改めて表明。足元の実質金利の低さを踏まえれば、緩和度合いが強まっているとし、現在のような低金利を維持し続ければ、緩和度合いが過大になる可能性にも言及した。
居並ぶ経営者を前に総裁は、大企業を中心とした高水準の収益が中小企業や家計に分配されることの重要性を指摘。2025年を展望し、好循環が一段と強まり、賃金の上昇を伴う形での2%の持続的・安定的な物価上昇の姿にさらに近づくとの期待感を示した。
野村証券の岡崎康平チーフマーケットエコノミストは、トランプ氏の大統領就任をマーケットが消化するのを待ち、ある程度落ち着きどころが見えた時点で「日銀として最適な政策を改めて見定めていくプロセスになる」とみる。その上で「利上げの可能性は1月より3月の方が高い」との見方を示した。
--取材協力:氏兼敬子.
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Sumio Ito