「かんべレタス」出荷始まる 館山・神戸地区(千葉県)
館山ブランド認定品の「かんべレタス」の出荷が、館山市神戸地区で始まった。23日には同地区の畑で生産者らが、収穫作業に精を出した。 かんべレタスは、ふんわりとした軽やかな葉の重なりで、甘くてシャキシャキした食感が特長の冬レタス。海洋性の温暖な気候とミネラルを豊富に含んだ砂質土壌など、館山市の気候と風土を生かし、60年以上にわたり栽培されている。 安房地域でレタスの栽培が本格的に始まったのは、アメリカの進駐軍から「故郷の料理に欠かせないレタスを作ってほしい」と依頼されたことがきっかけだと伝えられている。 神戸地区では1961年に「冬取りレタス」の生産出荷組合として、「館山市清浄そ菜組合」を設立。69年に国の野菜指定産地に指定され、現在は16軒の農家が約20ヘクタールの農地で栽培している。 JA安房野菜部会館山市清浄そ菜組合によると今年は寒さの影響で小玉傾向にあるが、12月の出荷開始から現在までに約6000箱を出荷している。茨城などの競合産地が厳寒期で出荷が落ち込む1、2月に最盛期を迎え、4月中旬までに5万箱の出荷を見込んでいるという。 冬晴れとなったこの日、同地区のレタス畑では多くの農家が収獲に追われ、包丁で芯を切り取り、断面を拭き丁寧に収獲。至る所で収獲されたレタスの山が見られた。 同組合の片岡淳組合長(64)は「かんべレタスは甘みがあってシャキシャキした歯応えがおいしいので、多くの人に味わってもらえたら」と話していた。 安房地域では、現在イオン館山店、鴨川店で販売している。 (押本裕也)