50歳。贅沢せず「月12万円」の暮らしに慣れてきました。これくらい節約できていたら退職後、年金だけで生活できますよね?
独身で一人暮らしをしている人の中には、毎月の生活費を可能なかぎり節約しているという人もいるのではないでしょうか。物価上昇に伴い、節約を余儀なくされている、将来に備えて少しでも多く貯金したいと考える人もいることでしょう。 本記事では、現在50歳で結婚する予定なし、一人暮らしで毎月の生活費が12万円の場合、同等の節約ができれば年金暮らしが可能かどうかについて解説します。 また、記事内では老後にもらえる年金額がどのくらいなのかをまとめているので、定年退職後の年金生活について気になる人は、ぜひ参考にしてみてください。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
60歳以上単身者世帯の消費支出
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編」によると、60歳以上単身世帯の消費支出平均月額と内訳は図表1のとおりです。
※総務省統計局「家計調査報告 家計収支編」より作成 消費支出平均月額は、男女平均で15万409円です。これらはあくまでも目安にしかすぎませんが、年金だけで生活できるかどうかは年金受給額によるでしょう。年金受給額によっては、月12万円を超えないような節約を余儀なくされるかもしれません。 また、住居に関する支出が男女・平均ともに1万4000円程度です。現在は社宅住まいで定年退職後は賃貸物件で暮らさなければならないといった場合は、家賃の支出を想定する必要があります。 全国賃貸管理ビジネス協会の全国家賃動向によると、2024年6月現在、1部屋の全国平均賃料は5万2994円です。
老後にもらえる年金受給額はどのくらい?
定年退職後に年金暮らしができるかどうかは、年金受給額によります。日本の公的年金は、国民年金(基礎年金)と、会社員などが加入する厚生年金の2階建てになっているからです。 働き方によって加入する年金制度が図表2のように異なり、第2号被保険者が支払う保険料には国民年金と厚生年金が含まれており、原則として65歳以降にそれぞれをもらえます。
※厚生労働省「日本の公的年金は「2階建て」」より作成 ◆国民年金 令和6年度の国民年金は、月額6万8000円(満額)です。加入する年金制度が国民年金のみの場合、年金だけで毎月12万円の生活費を捻出するのは難しいでしょう。 また、月額6万8000円は20歳から60歳までの480ヶ月間にわたって、漏れなく納付を行った場合の受給金額です。保険料の納付猶予や免除を受けている場合、年金額が月額6万8000円にならない可能性が高いので注意してください。 ◆厚生年金 厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は1ヶ月につき14万4982円です。ただし、居住する都道府県によって平均受給額は異なり、もっとも高い神奈川県は16万4088円、もっとも低い青森県は12万2134円となっており、約4万円の金額差があります。 また、厚生年金は国民年金のように受給額が一律ではありません。働いていたときの給料と厚生年金の加入期間に応じて受給額が決まります。給料が高く、厚生年金の加入期間が長ければ受給額は高くなる仕組みです。 国民年金と厚生年金の平均受給額を合算すると21万2982円(6万8000円+14万4982円)です。国民年金と厚生年金のそれぞれを受け取れるのであれば、年金だけで生活できる可能性は高いでしょう。