3K業種敬遠が招く運転手不足、韓国のリサイクルに影響
【11月28日 KOREA WAVE】韓国で、廃棄物や資源リサイクルに不可欠なクレーン付きトラック(家屋解体などの現場で使用されるトラック)の運転手不足が深刻化している。若者は3K業種(きつい、汚い、危険)という認識から就業を敬遠し、高齢の運転手に依存する状況が続いている。加えて、政府が導入した外国人労働者の雇用許可も、業務の制限により効果が限定的であるとの指摘がある。 韓国製資源料再生業協同組合の発表によると、2023年に同協会の会員企業が所有する廃棄物収集用クレーン付きトラック438台のうち、44台(約10%)が運転手不足により稼働停止となっていた。このような運休車両の増加は年々加速しているという。 運転手の主な業務は車両運行であり、廃棄物そのものを直接触ることは少ない。それにもかかわらず、3K業種との外部の認識が強く、若者や国内労働者が敬遠する状況が続いている。結果として新規人材の流入は少なく、50代が全体の55.8%、60代以上が35.8%を占めるなど、高齢化が著しい。若年層である20~40代の割合はわずか9.4%にとどまる。 運転手の月給は平均350万~400万ウォン(約38万~43万円)で、条件としては悪くない。しかし、廃棄物業界そのものへの嫌悪感が強く、「月給450万ウォン(約49万円)を提示しても誰も応募しない」と業界関係者は嘆いている。 既存の運転手が離職した場合、全国のリサイクルシステム全体が麻痺する可能性が指摘されている。運転手はリサイクルの最前線で働く重要な存在であり、廃棄物をマンションや物流センターから圧縮業者や選別場へ運ぶ役割を担っている。この作業が滞れば、製紙業、石油化学業、セメント業といった産業全体が資源リサイクルをできなくなる恐れがある。 政府は2023年、E-9(非専門就業)ビザを持つ外国人労働者の雇用を許可したが、廃棄物の選別や積み下ろし作業に限定されている。クレーン付きトラックの運行には、運転技術や交通規則の理解、適切な意思疎通が求められるため、外国人労働者の活用が難しいとの立場を示している。一方、業界側は「早朝7時ごろから決まったルートでの運転であり、安全性は比較的高い」と主張する。 協同組合関係者は「H-2(海外同胞向けビザ)で雇用可能な外国人も高齢化しており、若者の流入がないため効果は限定的だ」と述べた。また、「E-9ビザの外国人が国際免許を保持している場合、業務制限を撤廃してクレーン付きトラックの運転を可能にすることが、現行のリサイクルシステムを維持する現実的な解決策だ」と提案している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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