元世界3位デルポトロが引退試合を前に積年のケガの苦悩を赤裸々告白!「100回以上の注射を打ち、毎日苦しんだ」<SMASH>
2022年2月の「アルゼンチン・オープン」(クレー/ATP250)を最後にツアーを離れている元世界ランク3位のホアン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン/36歳)が、11月26日に更新した自身の公式インスタグラム(@delpotrojuan)で1本のビデオを公開。12月1日に母国の首都ブエノスアイレスで予定されているノバク・ジョコビッチ(セルビア/現7位)とのエキジビションマッチを自身の“引退試合”と語り、ここに至るまでの苦悩についても明かした。 【動画】自身のインスタグラムでこれまでの苦悩を語ったデルポトロのインタビュー映像 198センチの長身を生かした豪快なフォアハンドを武器に、09年全米オープンでの悲願の四大大会初優勝や、22度のツアー優勝をはじめ、数々の輝かしい功績を残してきたデルポトロ。だが彼のキャリアはケガとの闘いの連続でもあった。中でも右ヒザのケガは深刻化し、計6度もの手術を受けたものの何度も目指してきた戦線復帰は白紙に。デルポトロはこれまでの苦しみを赤裸々に語る。 「誰も知らないとは思うが、僕はアルゼンチン・オープンでのフェデリコ・デルボニス(アルゼンチン/元33位/引退)との最後の試合を終えた翌日、スイス行きの飛行機に乗って5度目のヒザの手術を受けた。このプロセスは全て裏で進めていたもので、うまくいけば復帰すると発表するつもりだった。 バーゼル(スイス)近郊の村で2カ月間リハビリを試みたがうまくいかず、その2カ月半後には6回目の手術を決行し、アメリカに戻った。そこからさらにリハビリを続け、あらゆる所に100回以上の注射を打った。毎日苦しんだよ。フェデリコとの試合以来、僕はそんな生活を送ってきた」 人工ヒザ関節手術を受けるにはまだ若すぎると医師から告げられたそうで、今もなお服薬しながら「解決策を探している」という。日常生活さえまともに送れない現状に“不屈の男”も打ちのめされている様子だ。 「全ては最初の手術から始まった。そのことを思い出すたびに今でも感情的になってしまうし、ひどい気持ちを抱えている。日常生活は僕が望んでいるようなものにはなっていない。サッカーもパデル(テニスに似たラケットスポーツ)もできない。ひどい状況だし、本当につらい」 「(ヒザに)力が入らない瞬間もある。僕は“不屈の男”なんかじゃない。良いこともあれば悪いこともあるが、大抵は無理にでもいい顔をしていなければならない。毎日、起きたら6~7錠の薬を飲む必要がある。具体的には胃の保護剤や抗炎症剤、不安を和らげる薬だ。薬のせいで体重が増えたから、幾つか食事を制限された物もある」 そしてついに下した大きな決断――まだ正式には引退していなかったデルポトロだったが、冒頭で紹介した自国開催のエキジビション「エル・ウルティモ・デサフィオ」(“最後の挑戦”の意)をキャリア最後の試合にすると発表。その相手はツアーで20度対戦した親友のジョコビッチだ。 「できる限り最高の状態で臨みたい。お別れを告げる試合になる。彼は僕の招待をとても寛大に受け入れてくれた。僕は彼にできる限りの愛を与えたい。少なくとも1~2時間、または3時間、コートで平和で幸せな時間を過ごせるなら素晴らしいことだ」と尊敬する親友へのリスペクトを込めて締めくくった。 文●中村光佑
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