マー君が決めたヤンキース残留「金よりチーム愛」の選択
その去就に注目が集まっていたヤンキースの田中将大投手(29)が残りの複数年契約を破棄してFAになることを選べる「オプトアウト」を行使せずチームに残留することが決定した。マー君は球団のツイッターを通じて「オプトアウト」を行使しない声明を英文で発表した。 「これからの3シーズンをヤンキースに残ることを決断しました。球団や素晴らしいニューヨークのファンのためにプレーした4シーズンを心から楽しめたこともあり、この決断は私にとって簡単なものでした。 チームの一員としてあり続けることに喜びを感じるとともに、スタインブレイナー一家、ヤンキース球団、ニューヨークの素晴らしいファンの方々のため、ワールドシリーズ優勝という目標へ向け力を注ぎます」 マー君は楽天からポスティングシステムを使い2013年オフにヤンキースに移籍。その際、7年の大型契約を結んだが、4年経過後に契約をオプトアウトできる権利が盛り込まれていた。だが、今回、その行使を見送ったことで、2020年までヤンキースと3年6700万ドル(約74億円)の契約を全うすることになる。 田中の今季のレギュラーシーズンは、30試合登板で13勝12敗、防御率4.74という不満の残る成績だった。だが、ポストシーズンに入ると、3試合で2勝1敗、防御率0.90という素晴らしい結果を残して評価がV字回復していた。その評価を受けて、オプトアウトを行使するのではないか、という見方が一部では高まっていた。米メディアの中には、5年1億ドル(約110億円)の大型契約がオファーされる可能性さえ報じるものまであった。だが、マー君の選択は、そういう条件アップよりも、ヤンキースでの世界一奪回だった。 ヤンキースへのチーム愛は、お金に代えられないものだったようだ。