伊藤園、全世界に通用する緑茶飲料製品に期待 欧州に本格進出 既存エリアは深耕 グローバル化推進への大きな布石
2027年4月期までの中期経営計画では、海外売上比率12%以上が掲げられている。現在、この計画を前倒しで達成の勢いであることから、大幅な上方修正も予想される。 「いろいろなお茶があり、将来はそれらも扱っていくが、向こう5年くらいは『お~いお茶』をどれだけ世界に広められるかに挑んでいきたい。現在、世界の40の国と地域で展開しているが、これを100の国と地域に拡大していくのが1つの目標」と意欲をのぞかせる。 長期ビジョン「世界のティーカンパニー」の各ステージは以下の通りで、現在、第2ステージの準備が整った段階にあるという。 ――第1ステージ:「お~いお茶」など国内既存事業の盤石化 ――第2ステージ:「お~いお茶」のグローバルブランド化 ――第3ステージ:世界各地の茶文化とつながり新たな茶市場を創造 「2001年の北米進出から20年近くで商品が全体的に整備でき、それに対応する組織も、国際本部だけではなく本社部門や生産部門などの体制も整ってきている。本当にこれから世界に広げていく段階に入ったと感じており、そのエポックメイキングがドイツ進出だと位置付けている」と語る。
商品は「MATCHA GREEN TEA」など「ITO EN」ブランドがある中で、「お~いお茶」に最注力していく。 「多他の飲料メーカーやお茶屋と大きく異なるのは、お茶でドリンク・リーフ・パウダーの3つ形態を展開しているのは当社だけであるので、この3つをしっかり各国に根づかせていく。今まで以上に『お~いお茶』にフォーカスしていく」という。 市場定着を図るため、今後はマーケティング活動の質を高める。 具体的には「現在、市川團十郎白猿さんを起用しアニメと融合した『日本には世界一のお茶がある』篇を全世界共通のグローバル広告として展開しており、現在、多言語化のテストを行っている。グローバル広告と並ぶもう1つの柱としてSNSを活用し、国ごとに適したマーケティングを展開していく」。