“泣き叫ぶ、騒ぐ子ども”には「叱りつける」べきか 本当に“効き目”がある「声かけ」の正解は?
この手法は、権威的、懲罰的なアプローチではなく、子どもを独立した個人として尊重し、親子間のコミュニケーションや感情的なつながりを深めることを目指しています。 その特徴は、強制や罰、叱責ではなく、子どもに共感し、肯定しながら指導をし、望ましい行動を導き出していくこと。 「子どもと親との安定的なつながりを維持する」「子どもの自己肯定感を高める」「自発性を促す」「情緒的知能が発達する」といった効果が生まれ、実際にこうして育てられた子どもは、より高い社会的スキル、ストレス耐性、問題解決能力を持つ傾向があると言われています。
■具体的には、どう実践するの? 具体的な実践例としては、以下のような声かけの方法があります。 • 子どもが何か間違った行動をしたとき、怒ったり、叱りつけるのではなく、「どうしてそうしたの?」と質問し、その理由を理解しようとする • 「泣かないの!」などと否定するのではなく、「今、悲しいのね」「疲れているのかな」と子どもの感情やニーズを認め、理解する • 「静かにしなさい」「うるさい」などと命令的に伝えるのではなく、「ここでは小さい声で話そう」と期待する行動を具体的に伝える
• 叱りつける代わりに、「一緒に本を読もう」などと、代替え行動を提案する こうした育児法が支持を集める理由としては、心理学や神経学などの分野での科学的研究が進み、厳しいしつけや罰中心の育児が、トラウマや不安、自己肯定感の喪失などといった負の影響を子どもに与えることがわかってきたことなどが挙げられます。 「叱りつける」「とがめる」といった行動については、親が感情的になると、子どもも感情的になる、反発する、根本的な原因を解決できない、子どもの自立心をそぐ、効き目がない、親が「叱る」ことに依存し、虐待などに陥る可能性もある、といった数多くの弊害があることも判明しています。
こういったことから、声を荒げて叱責するより、落ち着いて、対話をする優しい語りかけスタイルが推奨されるようになってきているわけですが、これに反発する人は少なくありません。 海外メディアなどでも「いかにNo(ダメ)という言葉がDirty(汚い)言葉になってしまったのか」などと言った記事も登場し、賛成派・反対派が熱い議論を重ねています。 ■「叱らない親に腹が立つ」そう感じる根底にあるもの 我慢や忍耐を貴び、スパルタ志向の強い日本では、この「優しい子育て」に手ぬるさを感じる人は多いことでしょう。とくに騒いでいる子どもたちには、親が「ビシッ」と叱りつけるべきとの考えは根強いように感じます。