松井秀喜さんにとって長嶋茂雄さんは「一番大きな存在」「200年たとうが名前は語り継がれる」
◆JERA セ・リーグ 巨人8―5阪神(3日・東京ドーム) 巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(49)=ヤンキースGM付特別アドバイザー=が背番号55のユニホームに袖を通してセレモニアルピッチの大役を務めた。 1年ぶりに立った東京Dのマウンド。ノーバウンドでストライクを投げ込んだ松井氏の脳裏に、ミスターと過ごしたヒリヒリした日々が鮮やかによみがえった。「プロ野球の歴史を振り返れば長嶋茂雄という名前は避けて通れない。それだけ私の中では一番大きな存在です。今年はジャイアンツ90周年ですが、100年たとうが、150年、200年たとうが、長嶋茂雄という名前はこれからもずっと語り継がれると思います」と熱弁をふるった。 現役時代、東京Dで試合がある際は一塁ベンチ裏のミーティングルームで、遠征先ではホテルの部屋で、スイングチェックを受けてからフリー打撃に臨むのが日課だった。汗だくになりながらバットを振り、恩師が納得する空気を切り裂くような「ピッ」という音が出せるようになって調子のセルフ診断もできるようになり、日米通算507本塁打を積み重ねた。「長嶋監督に出会えたからこそ、20年にわたって、現役生活を送れました。本当に感謝しかありません」と思いは尽きない。 「相手がタイガースということもあるのでしょうが、すごい熱気が伝わってきて、現役時代を思い出しました」。かつての長嶋氏や自分のように、ファンの大声援に応えた岡本和、坂本の姿を目に焼きつけた松井氏はミスター愛、ジャイアンツ愛をさらに強くして、東京Dを後にした。(阿見 俊輔)
報知新聞社