（写真：静岡新聞社）

　気象庁は16日、線状降水帯の発生を県単位で半日前に予測して注意を呼びかける制度について、運用を始めた5月から9月末までの実績を発表した。静岡県では、線状降水帯の発生を呼びかけたが、発生しなかった「空振り」が3回（5月28日、8月27日、8月29～9月1日）、事前の呼びかけができずに発生した「見逃し」（6月28日）が1回あった。的中はゼロ件だった。 　全国では計81回呼びかけ、実際に発生したのは8回で的中率は約10％にとどまった。同庁は25％程度を想定していた。「見逃し」は9回あり、大きな被害が出た9月下旬の石川県能登地方や秋田県の豪雨などが該当した。 　局地的な豪雨をもたらす線状降水帯の発生可能性を12～6時間前に伝える半日前予測について、森隆志長官は16日の記者会見で、まだ難しいとしつつ「能登や秋田のような『見逃し』を少しでも減らせるよう、外部の識者の意見も聞きながら、来年の取水期に向けて検証と精度の向上を目指す」と述べた。