京成と京急株が急騰、旧村上系保有と東洋経済報じる-株主要求の観測
(ブルームバーグ): 京成電鉄と京浜急行電鉄の株価が急騰した。旧村上ファンド系の投資会社が両社の株式を保有していると一部の市場関係者が述べたと東洋経済オンラインが報じ、今後アクティビスト(物言う株主)による株主還元や経営改善策の要求が表面化するとの観測が広がる展開となった。
25日の日本株市場で京成株は一時18%高の4538円と大幅反発。9月20日以来、約2カ月ぶりの高値を付けた。日中上昇率は2008年10月14日(19%)以来、16年ぶりの大きさだ。京急株も16%高の1419円と1987年10月21日(20%)以来、37年ぶりの上昇率を記録。両社株の急騰が主導し、東証33業種で陸運業指数は上昇率トップ。
東洋経済によると、旧村上系による京成の保有比率はまだ1%未満で小さいと市場関係者は語ったという。一方、京急については半期報告書の9月末の大株主に記載されていないため、保有を増やしたのは10月以降とみられ、既に5%近くに達していると報じている。
オルタス・アドバイザーズの日本株式戦略部門の責任者、アンドリュー・ジャクソン氏は「このニュースは両社にとってポジティブなものであり、日本の鉄道セクターの株価を押し上げる要因になる」との見方を示した。
日本市場では最近、アクティビストの動きが活発になっており、19日に米ヘッジファンドのエリオット・インベストメント・マネジメントが東京ガスの株式を5%以上保有していることが判明。日産自動車に対しても今月、エフィッシモ・キャピタル・マネジメントと関係が深いファンドが大株主として浮上したことが分かり、両社株はともに急騰する場面があった。
アシンメトリック・アドバイザーズの日本株式ストラテジスト、アミール・アンバーザデ氏は京成が東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの株式を売却するよう圧力を受けていることは以前から知られていたと指摘。今後アクティビスト投資家は京成に対し、オリランド株を売却するよう迫る可能性があるとの見方を示した。
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Haruka Iwai, Alice French