沖縄県が米国に営業実態のない株式会社、県議会が百条委で真相解明へ…答弁の訂正繰り返し「前代未聞」
沖縄県が米ワシントン事務所を運営するため、営業実態のない株式会社を米国に設立していた問題で、県議会は20日、真相解明に向け、地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委員会)の設置議案を可決した。同県議会で百条委が設置されたのは約10年ぶり。県に早期是正を求める警告決議も可決した。 【写真】沖縄県のワシントン事務所が入る建物=沖縄県のウェブサイトから
同事務所は2015年、米軍普天間飛行場の同県名護市辺野古への移設反対などを米側に直接訴える目的で開設。当初、米政府から「政治的だ」と難色を示され、駐在職員の就労ビザを取得する方策として県全額出資の株式会社を設立した。
同社の存在は設立から約9年間、議会に報告されず、保有株式を公有財産登録していないといった問題も次々と表面化。関連経費を含む2023年度一般会計決算が不認定となるなど混迷を深めている。
自民党会派はこの日、県側が議会答弁の訂正を繰り返していることを踏まえ、「前代未聞の事態。質疑を通して解明できないレベルだ」として百条委設置の動議を提出。公明党も賛同し、賛成多数で可決された。
百条委は、関係者の出頭や証言を命じる強い調査権限を持ち、虚偽証言などには禁錮や罰金が科される。玉城デニー知事は百条委設置を受け、報道陣に「真摯に受け止める」と話した。