【巌流島】角田信朗がボディビルの経験からドーピング問題について語る「薬物使用による後遺症は、どれも本当に目を覆いたくなるような惨状ばかりです」
2024年9月7日に公開された『巌流島VIRTUAL SURVIVAL2』にて、レフェリーを務めた角田信朗が『巌流島』のオフィシャルサイトにコラムを寄稿。ドーピング問題について持論を綴った。 【写真】ボディビルの世界選手権にも出場した角田の肉体 「いま巷で話題となっているドーピングについて、私なりの意見を寄稿させて頂きます。意見は100人いれば100様。私の意見を、これが正義だと振りかざすものではありません。格闘家の一人として、アスリートの一人として思うことを述べさせて頂きます」と前置きし、「勝敗を競う競技スポーツにおいて、定められたルールに抵触する禁止薬物を使用する事は、ルール違反であるのは当然のこと。任侠映画で言えば、賭博でイカサマをするのと同じなんですね」と書き始める。 「検査結果云々の話になると、これは私自身、ボディビルの世界に足を踏み入れ、JADA(日本アンチドーピング機関)のドーピングチェックを3回受けた立場でモノを言わせて頂きます」と、ボディビルの世界を知る立場からの証言。 自身が受けたドーピングチェックの経験を話し、「この禁止薬物リストというのも、定期的に刷新されます。というのも、禁止薬物リストに挙がっていない、新たなる薬物を作って選手に使用させるメーカーが存在する。『疑わしきは罰せず』で検査をクリアしてしまえば、選手はシロという事になりますが、要するにイカサマをしているのは事実なわけです。バレないようなイカサマをした、ということですね」と、いたちごっこになっている現実を明かす。 そして「ボディビルの世界の話をすると、私が所属していた日本ボディビル・フィットネス連盟は、JOC(日本オリンピック委員会)の傘下にあり、JADAのドーピングチェックを受ける際の費用に関しても、その何割かはJOCの助成を受けているのではないかと思います。 世間一般の格闘技団体が、これに準じたドーピングチェックを同様に受けられるかというと、そこにはかなり高いハードルがあり、しかもJOC傘下の組織でない場合には費用が爆発的に高くなる。 ですから、格闘技団体がこの検査を行うためには数多くの無理が存在するわけです」と、現状で格闘技団体がオリンピック同様のドーピングチェックを行うのは難しいとの見解を述べた。 「薬物使用による後遺症は、どれも本当に目を覆いたくなるような惨状ばかりです」と、薬物を使用したビルダーたちの実際の例も挙げる。 続けて「格闘技の大会も、競技として開催する以上、そこにはルールという物差しに則った公平さが絶対条件となる。そこで、その物差しとなる検査を行うことが完全ではないとしたら、これはもう選手とファンの皆様の良心に委ねるしかなくなる。 インチキ・イカサマをするのはファイターの恥だ、という矜持。そして、そんなイカサマをする奴を俺たちは応援しない!!というファンの矜持。 あるいは選手が自らの潔白を証明するためなら、高額な検査費用も、選手のファイトマネーから差し引けばよいのではないでしょうか」との提案をした。
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