小雨降るなか松100本にこも巻き 二十四節気「寒露」/京都・福知山市
二十四節気の一つで本格的な秋の訪れを告げる「寒露」の8日、京都府福知山市猪崎の三段池公園で、小雨が降るなか、害虫から松を守る恒例のこも巻きが行われた。 こも巻きは、松枯れの原因となる害虫が、越冬のためこもに潜る習性を利用した駆除方法。近年の研究で「クモなどの益虫も捕獲してしまい駆除効果が乏しい」との報告もあるが、三段池公園では、公園を管理する市都市緑化協会(大柿日出樹理事長)が、環境調査も含めて毎年この時期に実施し、秋の風物詩として定着している。 作業は、委託を受けた市シルバー人材センターの5人が、午前9時から松風亭(水上茶室)そばで開始。根元から1メートルぐらいの高さに、わらで作った長さ180センチほどのこもを2人1組で手際よく巻き付けて、縄でしっかりと結んだ。 10本ほど巻き終えたところで作業員の大槻貞已さん(71)は「天気が心配でしたが、小降りでよかったです。こも巻きは初めてで、まだまだ不慣れですが残りも頑張ります」と話していた。 公園内にある約1830本のうち、予定していた100本を午前中に巻き終えた。来年3月初旬ごろに取り外して、害虫はこもごと焼却処分し、それ以外は逃がす。