文房具ソムリエが教える「自分に合った手帳」の選び方
手帳を買ってみたものの、1年間使い続けられなかった...という方は多いのではないでしょうか。文房具ソムリエの石津ヒロシさんは「3か月単位で手帳を続ける」ことを推奨しています。手帳を無理なく続けるコツについて、書籍『文房具ソムリエの手帳時間』より紹介します。 すぐ行動できる人に変わる「ウィークリーノート」の書き方 ※本稿は、石津ヒロシ著『文房具ソムリエの手帳時間』(秀和システム)の一部を再編集したものです。
同じ手帳を「続けられる人」は多くない
これまで数えきれないほどたくさんのお客様に手帳を販売してきましたが、多くのお客様が同じ手帳を1年間続けられていないということに気づかされます。そもそも、自分に合った手帳を選ぶということが難しいのです。 手帳作家さんたちの中にも、「なかなか手帳が続かなかった」という方がたくさんおられます。そして、そんな作家さんたちがつくった手帳の多くが、3か月のサイクルになっていることも注目に値するでしょう。 手帳売場に行くとき、品揃えが多い大型店舗で手帳を選ぶ人は多いでしょう。じつはこの時点で、自分に合った手帳を探すのは難しくなります。 心理学には「検討できる選択肢が増えると、逆に選択が難しくなるという」法則があり、これはコロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授による「ジャムの実験」などで広く知られています。結局、好みのデザインや使い勝手のいいサイズで選んでしまったりします。 しかし、デザイン性を追求するあまり、いざ書いてみたら自分にとっては使いにくい手帳を選んでしまった方も少なくないでしょう。 また、小さいサイズでコンパクトな手帳を求めるあまり、実際に書き出してみると細かい字を書かなくてはならなくなった、という方もいるでしょう。こうなると、本来の手帳を使うシーンが限定されてしまい、続かないという結果になりかねないのです。 デジタルツール・アプリに移行する人が増えているのは、ITの発展だけではなく、このようなケースが多いという背景があるのも事実です。しかし、手書きアウトプットの重要性は、十分わかっていただけているでしょうし、じつにもったいないことです。 1年間、手帳が続かないなら、そもそもの概念を変えるべきです。1年という期間を手帳に求めなくなれば、使いたいタイミングで使っていけます。最初に購入した手帳が「どうも自分に合わないな」と感じたのなら、途中からでも新しい手帳に切り替えましょう。まずは手帳を使うモチベーションを下げないことが大事です。 ここでも「3か月1クール」と考えれば話は簡単です。思い切って手帳を買い替えたり、日付なしの手帳を買い足したりしながら、どんどん手書きアウトプットを続けていきましょう。とにかく、手書きの手帳がないという状態をなくしていくことが大切です。 1年という期間は確かに区切りがいいですが、あまり縛られるのはよくありません。1年間手帳を使い続けることができない、ということで罪悪感を覚えている方もいるかもしれませんが、ご自分を責める必要はありません。 今度からは3か月単位で考えましょう。 3か月ずつ、いろいろ試しながら使っていくこともできます。1年単位ではとてもできなかったことでしょうが、こんなところにも「3か月1クール」のメリットがあるのです。 いつからはじめてもいいので、何かを思い立ったとき、その日をスタートとして新しい計画を立てていきましょう。その日から、新しい自分の目標、夢を叶えるために、まっさらな手帳からはじめてみてください!