複数種目でパリ五輪代表を目指す田中希実と豊田兼が、初日を“余裕”を持ってスタート 2人とも日本選手権予選での最高記録!【日本選手権1日目】
「春先は決勝だけのレースを、全力で走って今日くらいのタイムが続いていました。それを考えるとだいぶ良い手応えはあるのですが、気持ちのもって行き方は特に日本選手権の期間は難しい部分があるんです。今日はかなり(メンタル面を)慎重に準備したのでタイムが良かったのだと思います。だから決勝のタイムがもっと伸びるかといったら、明日までの準備次第かな、と思います」 4分02秒50のパリ五輪標準記録を突破して優勝すれば、代表がその場で内定する。周囲はそれを期待してしまうが、それほど簡単なことではない、ということだ。だが田中も、記録を意識していないわけではない。 「ペースメーカーの選手もいるので、その力も借りながらタイムも狙って行けたら、自分の中(のメンタル面のもって行き方など)で、パリ五輪への良い準備になると思います」 練習も日本選手権前に「質も量も高すぎて疲れが出たり、久しぶりにピーキングをして体がビックリしたりしているのかもしれない」という状態で予選のタイムを出した。大会2日目(28日)の決勝で一気に標準記録を突破する。その可能性がないわけではない。 ■2日目の決勝では「48秒1~2台が目標」と豊田 レース後の豊田は開口一番、48秒36の自己記録を出したゴールデングランプリ(以下GGP)を参考に走ったことを明かした。 「前半をGGPと同じように少しゆっくり入り、後半で(相対的に)上げていくレース展開ができました。GGPよりもだいぶ余力を残して走ることができたので、最後は流す余裕みたいなものもありましたね。そういうレースができたのは初めてなので、成長を感じられました」 ハードル10台を越えていく種目。1台毎の通過タイムを以前のレースと比較ができる。慶大短距離ブロックの高野大樹コーチの計測では、2、3、4台目の通過はGGPとほぼ同じ。5台目から8台目までは今回の方が僅かだが速かった。それでも余裕を持てていたのである。