米港湾労働者がストライキ入り、東海岸の港が閉鎖-1977年以来初
(ブルームバーグ): 米国の東海岸とメキシコ湾に面したすべての主要港で港湾労働者がストライキ入りし、1977年以降で初めて港が閉鎖された。米経済に波紋が広がり、大統領選挙の数週間前に政治的混乱を引き起こす可能性がある。
影響を受けた港湾の処理能力を合計すると、最大で米国の貿易量の半分に相当する。ストによりコンテナ貨物と自動車の輸送が停止することになる。 エネルギー供給や、自治体の廃棄物や融雪剤などのバルク貨物には影響はない。 軍事物資やクルーズ船の移動には例外が認められる。
ヒューストンからマイアミ、ニューヨーク・ニュージャージーに至るまでの主要コンテナ港における作業停止の重大性は、ストライキがどの程度の期間続くかによって左右される。 米東部時間1日午前0時1分に始まった港湾閉鎖による経済的損失は、1日当たり38億ドル(約5500億円)から45億ドルに上ると、JPモルガン・チェースが試算した。
オックスフォード・エコノミクスのグレース・ツウェマー氏によると、1週間にわたるストライキによる混乱の収拾には約1カ月を要すると見込まれる。
国際港湾労働者協会(ILA)は、午前0時に期限切れとなった6年契約について、賃上げと自動化に関する条項の撤回を求めている。ILAのハロルド・ダゲット会長は、期限までに合意に達しなければ10月1日にストライキを開始すると数カ月前から警告していた。東海岸とメキシコ湾岸の港湾労働者が前回ストを行ったのは1977年。
「必要な限り闘う覚悟はできている。ストライキを続ける期間は問わない」と、ダゲット氏は1日フェイスブックに投稿。企業側からの最後の提案は「ILAの一般組合員が賃金と自動化化に対する保護を求めて要求している内容には遠く及ばない」と主張した。
「つい先ほど、ニューヨーク・ニュージャージー港を含むメイン州からテキサス州にかけての港湾で、47年ぶりの大規模な東海岸港湾労働者のストライキが始まった」と、ニューヨーク州のホークル知事が午前0時過ぎに声明を出した。