<元日本代表 水沼貴史が解説>2014年W杯 グループCの楽しみ方
ブラジルとアルゼンチンの二強が飛び抜けている南米大陸では、そのような戦い方ができなければ、残り2枚ないし3枚となったW杯切符を手にすることが非常に困難になる歴史を強いられてきた。そうした伝統というものが脈々と受け継がれ、4年に一度のサイクルでタレントがいるかどうかで勢力図が大きく変わってくる。コロンビアが2位で4大会ぶりの出場を決めた一方で、前回の南アフリカ大会で日本を下し、ベスト8に進出したパラグアイは涙を飲んでいる。 コロンビアを力強くけん引したのは、FWファルカオであることに誰も異論はないだろう。もしかすると、来年のW杯におけるナンバーワンのストライカーと呼ばれるかもしれない。決定力。速さ。ゴール前でのテクニック。泥臭さ。ストライカーに必要とされるものすべてを、他のFWにはないレベルで兼ね備えている。 日本としては、ファルカオにゴール前で仕事をさせないことが必要となる。これは3試合を通じたテーマとなるが、どこからプレッシャーをかけるかが重要になってくる。日本のよさを最大限に発揮するには、前線の守備から始まり、中盤における激しいプレスでボールを奪い、勝負を仕掛ける展開が絶対に欠かせない。 最終ラインでの1対1はやはり弱いと言わざるを得ないので、いかにして相手にそこまでボールを運ばせないか。守備と攻撃の両面で、どれだけスピードを加味することができるか。繰り返しになるが、そのためにもコンディションが重要になる。 コロンビア戦に関しては、3戦目ということで疲労がどのくらい蓄積しているか。気候によって体力がどれくらい消耗しているかも関係してくる。グループリーグの3試合を、トータルでどう考えるか。メンバーを固定するのか。ある程度交代させていくのか。戦いながら様々なことを想定することも必要になってくる。 ■決勝トーナメント1回戦でビッグネームと激突して欲しい これまでの4大会はグループリーグ敗退、ベスト16進出を繰り返してきた日本だが、来年のブラジル大会ではベスト16を上回る結果を誰もが期待し、選手たちの多くも海外でそれだけの経験を積んでいる。