<元日本代表 水沼貴史が解説>2014年W杯 グループCの楽しみ方
楽しみだ!ワールドカップの組み合わせ抽選を見た瞬間の率直な思いを表現すればこうなる。飛び抜けて強いチーム、到底かなわないチームはグループCに存在しない。もちろんW杯である以上は楽なグループと言い切ることはできないし、南米大陸のアドバンテージもあって、特にコロンビアとの最終戦はシビアな試合展開となるだろう。日本がグループリーグを突破する可能性は、現時点でフィフティー・フィフティー。その可能性を上げていくためにも、まず鍵を握るのはコートジボワールとの初戦となる。 ■心身のコンディション調整が鍵を握るコートジボワール戦 アフリカ勢は、大会が始まってみて、いざふたを開けてみないと分からない部分がある。勢いに乗って突っ走るのか、あるいは「らしさ」を出せないまま大会を去っていくのか。 これまでにコートジボワールが出場した2006年ドイツ大会、前回の南アフリカ大会では、潜在能力を解き放つことができないまま、グループリーグで姿を消していた感が強い。W杯という舞台における経験不足が最大の理由だったと言っていいだろう。 選手がヨーロッパに出て行くことによって、どんどん経験値が上がり、それが代表チームに還元されていって、アフリカ大陸におけるランクも上がっていく。35歳のベテランFWドログバという先駆者はいるものの、カメルーンやナイジェリアと比べると、コートジボワールはまだ階段を登っている途中と言える。彼らにしてみればそろそろ何らかの「きっかけ」をつかみたいはずだし、それを今回のW杯にしたいという思いも強いだろう。その意味では、日本同様にコートジボワールも初戦を重要視してくる。 あらためて言うまでもなく、日本の鍵を握るのはコンディションとなる。試合が行われるレシフェ(ブラジル北東部)の気候をいかにして把握し、どのような準備ができるか。海の近くで「蒸し暑い」のであれば、同じような気候に慣れている日本に若干の優位性が生じるだろう。