さかなクンと考える「外来種」 駆除ザリガニを“えさ”に 外来生物と共存しながら生きるには…【news23】
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“赤い悪魔”とも呼ばれる外来生物「アメリカザリガニ」に農家の人たちが頭を悩ませています。ただ駆除するだけではない、生態系を守る取り組みに密着。さかなクンと生態系を壊す外来生物との共存について考えます。 【写真を見る】さかなクンと考える「外来種」 駆除ザリガニを“えさ”に 外来生物と共存しながら生きるには…【news23】 ■アメリカザリガニ急増で絶滅危惧種がピンチに? 水中に仕掛けたかご。そこに現れたのは、赤いシルエットのアメリカザリガニです。繁殖力の強さで、今年も各地で急増。農家からは怒りの声が… 農家のSNS書き込み 「田んぼのあぜを破壊してくるから腹立ってしょうがない」 「農家の敵。害虫や」 2023年6月に「条件付特定外来生物」に指定され、飼育したものを野外に逃がすなどした場合に、重い罰則が設けられました。 そこで駆除に乗り出したのが、近畿大学農学部の学生たちです。 近畿大学農学部4年 宮部和樹さん 「水草から魚までなんでもかんでも食べるので、池の環境ががらりと変わってしまう」 水辺に生息する絶滅危惧種の調査・研究が専門の彼らが、駆除に乗り出した理由は… 宮部和樹さん 「絶滅危惧種にさらされているニッポンバラタナゴが、さらにもっと絶滅に向かっていくのかなと」 ゼミが保全している絶滅危惧種・ニッポンバラタナゴの産卵を捉えた貴重な映像。メスのお腹から伸びているのは「産卵管」。色鮮やかなのはオスで、右下にいるのは二枚貝です。産卵管を貝の隙間に差し込みオスが精子をかけます。貝がなければ繁殖できないのです。ところが… 宮部和樹さん 「死んじゃって中が空いてしまって。周りがギザギザになっていて」 アメリカザリガニによって貝が無残にも食い尽くされてしまう現状。ただ、学生たちには複雑な思いがあります。 宮部和樹さん 「これ(アメリカザリガニ)を悪者にしてしまうのは良くないことかなと思います。これも命なので、捕って殺して終わりではなくて、捕って殺したあと、何か利用できる段階につなげていけたら」 ■駆除ザリガニを“えさ”に 外来生物と共存しながら生きる そこで始めたのが、ペットフードメーカーの協力のもと、駆除したザリガニを魚のえさにする取り組みです。ミキサーにかけ、薄く焼いていけば、特製ザリガニフレークが完成です。 そして10月、完成したえさを試すため自然博物館を訪れました。