単独インタビュー SIAM SHADE・NATCHIN&La’cryma Christi・LEVIN 平成の人気バンド出身メンバーの現在地
1990年代後半から2000年代に活躍した3組の人気バンド出身のミュージシャンが、ステージ共演している。SIAM SHADE(シャムシェイド)のベース、NATCHIN(ナッチン)、La’cryma Christi(ラクリマクリスティー)のドラム、LEVIN(レビン)。同時代を駆け抜けたFANATIC◇CRISIS(ファナティッククライシス)がFANTASTIC◇CIRCUS(ファンタスティックサーカス)を名乗って22年から復活し、サポートメンバーを務めている。各バンドの活動期には接点がなかった3組の混合チーム。2人にバンド時代、ミュージシャンとしての現在を聞いた。 似て非なる3組のバンドの精鋭が一堂に会した。FANTASTIC◇CIRCUSは、2005年に解散した旧バンド出身のボーカル、石月努、ツインギター、kazuyaとSHUN.の3人組。彼らのライブやレコーディングにサポートメンバーとして参加しているのが、NATCHINとLEVIN。卓越した演奏技術で支えている。 2人もバンドの解散や再結成を経験している。NATCHINは「ファンタの話があったときは素直に、ああいいじゃんと思った。最初の公演のときにファンで埋まっていた客席を見て、僕らのときもそうでしたけど、これだけの人が待ち望んでいてくれたんだなと思いました」。LEVINは「石月君にまたやればいいのにと冗談で言っていたくらいなので、始まったときは驚きつつ、うれしさの方が大きかった。一番驚いたのは、男性ファンがこんなに多かったのかということ」とファンの存在の大きさを強調した。 NATCHINがリーダーを務めたSIAM SHADEは1995年にメジャーデビュー。フジテレビ系アニメ「るろうに剣心」のエンディング曲「1/3の純情な感情」(97年)などがヒットした。LEVINが所属したLa’cryma ChristiはFANATIC◇CRISISと同じ97年にメジャーデビューし、ともに「ビジュアル系四天王」と呼ばれた。代表曲は「未来航路」(98年)など。両バンドはそれぞれ02年、07年に解散後、複数回、一時的に再結成した。 ほぼ同時期に人気を集めたが、活動期は交流する機会はなかった。SIAM SHADEは中学時代の同級生らで結成。NATCHINは「幼なじみの集団なので、制作では原曲を持ってきた人がリーダーシップを取るけど、お互いに口を出してもっとこうしよう、ああしようと練り上げていく感じでした。厳しい上下関係で育った昭和世代の体育会系。インディーズ時代は先輩が言うことは絶対だった。デビューして売れたらこの環境から抜け出せると考えていて、メンバーで結束して、お互いをかばったり。デビュー後は大きな事務所に所属したので、もっと上を目指そう、テレビで売れている人たちに引けを取らないように演奏しないと、という気持ちでやっていましたね」。激動の日々を振り返った。