単独インタビュー SIAM SHADE・NATCHIN&La’cryma Christi・LEVIN 平成の人気バンド出身メンバーの現在地
LEVINは「ラクリマクリスティは個人主義の集合体。リーダーがこうしろ、ああしろと言うのではなくて、おのおのが責任を持ってパートを担当しようという暗黙の了解がありました」と雰囲気を明かした。音楽については、「歌詞が不思議でしたよね。中高生に分かりやすくしたらいいのにと思ったこともあったんですけど、今思うと、この分かりにくさが、ラクリマの奥行きにつながっていたのかなと思います」。多用される「ビジュアル系四天王」という異名については、「よくある呼びやすいポップなカテゴリーを誰かがうまいこと作ったんだろうなと思います」と笑った。
20年以上前のブレーク時の反響を振り返る。LEVINは「今思うとピークだったのは、新大阪駅に芸能人用みたいな裏出口があって、そこを通って出るようになったとき。SMAPみたいだなって思いました」。NATCHINは「泊まっているホテルのロビーにファンの人が待っていた。打ち上げ会場に待っているときもありました」と行く先々で待ち構えていたファンに驚いた。
解散後は別のバンド活動を経て、現在、主にサポートミュージシャンとして活動している2人。NATCHINはSIAM SHADEのボーカル、栄喜のソロライブに出演したり、今年はSOPHIAの都啓一らと公演を行っている。自身にとってSIAM SHADEは「代名詞」と強調した。
「NATCHINと言ったらSIAM SHADEがついて回る。来年はデビュー30周年。これだけ長くやれているんだなという気持ちがあります。『1/3の純情な感情』は今もいろいろな方にカバーしてもらったり、アニメソング特集で流れていたり、当時の事務所やレコード会社の方のおかげだなと思っています」
LEVINは携わった作品に名前を記載する際、かつてのバンド名を入れている。「ずっとラクリマクリスティのドラマーとして認識されたいと思っています」。現役ドラマーでありながら、10年前にレコーディングスタジオを立ち上げ、運営している。当初はプライベートスタジオにするつもりだったが、同業者に場所を提供するようになり、「研究するとどんどん良い音が録れるようになってきて、ドラマーに限らず、いろいろな人に来てもらっています。他のミュージシャンのノウハウを学ばせてもらうことがめちゃくちゃ多いですね」と刺激を受ける日々だ。