不足すると高血圧や動脈硬化の原因にも?栄養士が教える「カルシウムの摂取」におすすめの食材3選
食生活が豊かな日本において、カルシウムは数十年に渡って不足しているということをご存知でしょうか?カルシウムの摂取量が少ないと、骨粗鬆症になるだけでなく、血圧上昇や動脈硬化に繋がりやすいとも言われています。今回はカルシウムを摂るのにおすすめの食材をご紹介します。 ◆写真で見る|栄養士が教える「カルシウムの摂取」におすすめの食材3選 ■カルシウムはどれくらい摂れてる? カルシウムは骨や歯を作る他に、筋肉を動かしたり、神経の安定にも働く、生命維持に必要不可欠なミネラルです。日本人は慢性的なカルシウム不足と言われていますが、どれくらい摂れているのでしょうか? <1日のカルシウム推奨量と摂取量> 推奨量:男性(30~74歳) 750mg / 摂取量:男性(20歳以上) 503mg 推奨量:女性(18~74歳) 650mg / 摂取量:女性(20歳以上) 494mg 令和元年の国民健康・栄養調査では、カルシウム摂取量の1日の平均が505mg、20歳以上の男性で503mg、20歳以上の女性で494mgという報告が。男性だと推奨量の67%、女性だと76%しか摂れていない計算になります。 ■カルシウム摂取におすすめ 食材3選 ではどのような食材を食べるとカルシウムが摂取できるのでしょうか?ポイントはカルシウムの含まれる量に加えて吸収率がいいこと。カルシウムは全てが体内に吸収されるわけではなく、乳製品で50%程度、次いで大豆製品、小魚、野菜、海藻類の順で低くなり、野菜や海藻類は20%程度と言われています。つまり、食材に含まれている量と吸収量をどちらも意識することが大切なのです。 ①牛乳 カルシウム=牛乳のイメージがあるくらい、カルシウムの宝庫である牛乳や乳製品。元々含まれている量が多い事に加えて、吸収率が高いこともおすすめのポイントです。学校給食が終わると牛乳を飲まなくなるので、カルシウム不足になるとの報告もあります。 カルシウム含有量:牛乳(200gあたり) 220mg ②厚揚げ 厚揚げにカルシウムを多く含んでいるイメージがない方も多いかもしれませんが、カルシウムが豊富な食材です。大豆製品の中でも、厚揚げは豆腐よりも水分量が少ないので、効率的にカルシウムを摂取できます。たまには肉や魚だけでなく、厚揚げをメインとしたおかずを作ってみてはいかがでしょうか? カルシウム含有量:厚揚げ(1/2枚・100gあたり) 240mg ③桜えび ししゃもやしらすなど骨ごと食べられる魚にもカルシウムが多く含まれていますが、乾物で常備しやすいのが桜えび。カルシウムが足りていないかもと感じたら、ご飯に桜えびを混ぜ込んだ炊き込みご飯にしてみたり、スープやサラダに入れてみてはいかがでしょうか?出汁が出るので美味しいですよ。 カルシウム含有量:桜えび(大さじ1・5gあたり)100mg <参考文献> 農林水産省 大切な栄養素カルシウム 厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査報告 オムロン カルシウム不足を解消して高血圧や動脈硬化を予防する ライター/和田梓(管理栄養士)
和田 梓