公式練習で曲かけ練習を行う住吉

＜フィギュアスケート：グランプリ（GP）シリーズ第6戦中国杯＞◇21日◇中国・重慶◇女子公式練習 　【重慶＝阿部健吾】2年連続のファイナル進出を目指す住吉りをん（21＝オリエンタルバイオ／明治大）が、“攻め”の大技封印を宣言した。 　2日間の公式練習を「氷の感触がすごくいい感じ」と充実の表情で終えると、「4回転トーループもトリプルアクセル（3回転半）も入れない」と言った。第3戦フランス杯は3位。今大会で優勝を逃すと、上位6人によるファイナル（12月、フランス・グルノーブル）進出の可能性がついえるが、日本女子史上初めて成功させた代名詞「4回転トーループ」をあえて構成から外すことを選択。確実にエレメンツを積み重ねていくことが狙いで、「勝つために抜く。抜いたとしても勝てるだけの点数を出せるって判断した」とうなずいた。 　今月初旬のフランス杯では自身初めて国際大会で200点台を記録。フリーではジャンプに細かなミスがあったものの大台に乗せ「210点も見えていますし、やるべきことをやったら大丈夫だなって」と自信を深めた。フランスから帰国してすぐに、大技から確実にできる技の質にこだわることへ方向転換。「ジャンプもスピンの加点も。しっかり今まで以上に取れるようにっていうところを意識してきた」と胸を張った。 　この日の練習では「シニアに上がってからは初めて」と久しぶりに4回転を跳ばず、「早く終わってびっくりしちゃった」と笑みを浮かべた。「これでしっかり自信を持って滑りきれたら、逆に今後に向けての1つの選択肢になる」。シーズン後半戦へ、戦略的に勝負をかける。