25年卒の採用充足率、過去2番目に低く 26年卒は獲得競争激化か
2026年卒の新卒採用は前年より困難?―― リクルートが民間企業を対象に実施した採用動向調査で26年卒の大学生、大学院生の採用予定数について尋ねると、前年より「増える」と回答したのは13・2%、「変わらない」は50・1%、「減る」は5・4%だった。従業員規模別や業種別でも、すべての区分で「増える」が「減る」を上回り、企業の積極的な姿勢がみえた。企業の獲得競争は激化しそうだ。 【グラフで見る】23年度から急激変化…大卒初任給伸び率の推移 売り手市場のなか、25年卒の採用充足率(24年4月時点の採用予定人数に占める同年10月1日時点の内定数の割合)は、全体の平均が76・8%と、14年卒以降の調査で2番目に低い結果になった。 企業規模別の充足率をみると、従業員1000人以上の企業で92・7%だったのに対し、5~1000人未満の企業では69・1%にとどまり、規模が小さい企業ほど採用に苦戦している実態がうかがえる。 業種別の充足率は、金融業が前年比19・6ポイント増の92・5%と大きく伸ばし、首位となった。一方、建設業は55・2%と最も低かった。 金融業界では大手銀行を中心に、初任給を引き上げる動きが相次いでいる。さらに、採用方式の変化が、人材確保につながっているのではと分析する。 近年、金融業界では、業務のデジタル化の進展で、データ分析に関する専門人材の採用意欲が高い。募集方法も、従来のように総合職として一括採用してから職務を割り当てるのではなく、職務内容を細分化し、専門コースを設けて希望を募る企業も増えているという。調査したリクルートの担当者は「これまで金融業界を就職先として認知していなかった学生が希望するケースも考えられる」とみている。 リクルートの研究機関「リクルートワークス」が24年10~11月にインターネットなどで調査。4283社の回答をまとめた。【嶋田夕子】