【南部杯】南関を代表する馬に躍進したサヨノネイチヤ 秋初戦にあえて左回りのマイルを選んだワケ
[JpnIマイルチャンピオンシップ南部杯=2024年10月14日(月曜)3歳上、盛岡競馬場・ダート1600メートル] サヨノネイチヤ(牡5・大井=坂井英厩舎) 父ダノンレジェンド 母オムスビ 母の父オレハマッテルゼ 3歳4月とデビューこそ遅かったが、そこから4連勝。その後、2、1、2着となった後は7連勝するとともに重賞3連勝を飾り、一気に南関東を代表するトップホースへと駆け上がった。 そのタイトル3勝は中身が濃い。初戴冠を成し遂げた昨年12月のSⅡ勝島王冠は、後にJpnⅠ川崎記念を勝つライトウォーリアを2着に下してのVだった。年が明けて4月のSⅢブリリアントCを快勝すると、5月のSⅠ大井記念でもダートグレード2勝のバーデンヴァイラーや南関東を代表するステイヤー・セイカメテオポリスなどの強豪を寄せ付けなかった。 その結果を受けて陣営が次に選んだのが、上半期ダート王決定戦のJpnⅠ帝王賞。JRA勢7頭に地方勢も強力なメンバーが集結した一戦で、上位陣の切れ味には屈したがしぶとく食らいついて地方馬最先着の5着と奮闘した。初めて戦う強敵が相手で、7着がダートグレード3勝のノットゥルノ、9着が前年まで帝王賞を連覇していたメイショウハリオだったことを考えれば、絶大な価値がある。 その後は放牧に出されて帰厩後はこのレースに向けて順調に乗り込まれてきた。ダノンレジェンド×オレハマッテルゼという配合だけでなく、遺伝子検査でも短距離型と出ているだけに、久々のマイルが吉と出る可能性は十分。今後のために左回りのマイルを一度使ってみたいという陣営の意向もあり、秋初戦にこの大一番を選択した。初の左回り、長距離輸送などこなさなければいけない課題はあるが、15戦12勝2着2回とほぼパーフェクトな成績を残してきたサヨノネイチヤなら、いとも簡単にクリアしてもおかしくはない。 久々だけに100%の仕上げとはいわずとも、きっちり走れる態勢をつくってくるのが坂井英厩舎だ。4年目の指揮官はすでに重賞を7勝もマーク。地方通算で132勝を挙げている(10月13日現在)。出走回数100走以上の南関東の調教師で勝率29・8%は群を抜いた数値。地方を代表する浦和の名門・小久保厩舎ですら21・4%なのだから、いかに優れた数字かが分かる。厩舎の看板馬サヨノネイチヤが挑む2度目のJpnⅠ。連覇を狙うレモンポップ筆頭に強力な顔触れだが、この馬も潜在能力では決して引けを取らないはずだ。主戦・西啓太を背に、初めての盛岡で自慢の末脚爆発なるか。秋のダートマイル王決定戦に、サヨノネイチヤが真っ向勝負で挑む。
東スポ競馬編集部