準優勝の智弁和歌山 攻守で支えた1年生捕手は名古屋出身 中谷監督「投手陣を引っ張れるキャッチャーになりなさい」【高校野球・秋季近畿大会】
◇4日 秋季近畿地区高校野球大会・決勝 智弁和歌山1―5東洋大姫路(ほっともっとフィールド神戸) 智弁和歌山(和歌山1位)は、東洋大姫路(兵庫1位)のエース阪下漣投手(2年)を打ち崩せず、明治神宮大会への初出場を逃した。 元阪神などの捕手だった中谷仁監督は「残念ですね。力の差はありましたね。守備力で不安なところがあるので、投手はどうしても力んでしまうというか。打てなかったというのも。得点圏にさえ、なかなか走者が進まなかったので。素晴らしい投手だったと思います。ただね、あのクラスの投手を打つように練習しないといけないなと思います」とサバサバと振り返った。 一つの目標としては来春センバツを確実にすることだった。近畿準優勝で、それは「選んでもらえるような戦いは…何と表現して良いのか分かりませんが。11月のこの時期まで公式戦を戦えたのは頑張れたかなと思います」と手応えはつかんだ。 ここまで1年生捕手も奮闘した。山田凜虎(りとら)捕手だ。5番打者として、この日は3打数1安打。大会通算は14打数8安打の打率5割7分1厘と活躍した。守っては140キロ超をそろえる投手陣を支えた。 山田は名古屋市出身。中学時代は東海中央ボーイズでプレーし、捕手出身の中谷監督が率いる智弁和歌山へ進学した。 「プロで長くやってこられた技術、配球とか、監督がプロで学んだことを僕も学びたいと思ってここへ来たので、監督に野球のことを学びたい。監督とコミュニケーションをとること、監督と話をすること。分からないことがあったらすぐ教えてもらいに行きます。しっかり教えてくださいます」 監督からは「オマエが良い投手をどう引っ張っていくかが勝利を左右する。しっかり投手陣を引っ張れるキャッチャーになりなさい」と励まされている。「時にはメチャメチャ怖いですけど、怒られても、僕が逃げていたら僕の成長もないと思うので、監督についていってます」 初回の守りを終えると助言を投げかけられた。相手の打撃を警戒して変化球中心の配球をすると「オマエがビビっている」と指摘された。そこで2回からはストレートを多く配したが、3回は4四死球も絡んで4点、4回は1点を失った。それでも5回以降は追加点を与えなかった。 「ポンポンと3回にいかれて。こっちが不利な状況でも、こっちが弱っているときにいかれた感じです」 中谷監督は山田について「もう少し失点を防げるようになってほしい」と成長を期待する。来春に向けて、山田は「配球の面で監督に頼っていた部分があるので、自分でしっかり、ある程度できるようにしておかないといけないかなと思います」と独り立ちを目標に掲げた。
中日スポーツ