感謝なくして、幸せでいられるはずがない…「感謝の気持ち」が足りない人に欠けている視点
私の実の弟、⽥代有三は元サッカー⽇本代表の選⼿でした。しかし、⿅島アントラーズ⼊団1年⽬にして、前⼗字靭帯を切る怪我で試合に出られなくなりました。 サッカーなどスポーツ選手は実⼒、結果主義ですので、結果を出すことができなければ、すぐに解雇されてしまいます。 明らかに逆境に⽴たされた弟に、母が声をかけました。 「良かったね。怪我のときにしかできないことができるね」 感謝脳で、どのように逆境を乗り越え、逆境を⽣かしたのでしょうか?
⼿術後、リハビリ先の国⽴科学センターでは、さまざまなプロスポーツ選⼿がリハビリをしていました。そんな姿を見ながら弟は、こう決意したそうです。 「怪我の治療だけではなく、怪我前よりもフィジカルを上げてチームに戻る!」 そして施設の充実した環境を利用して、誰よりも全力でリハビリトレーニングに励むことにしたのです。 怪我という逆境を⽣かし、フィジカル能⼒を上げたことが功を奏して、弟は退院後、レギュラー⼊りし、Jリーグ3連覇に貢献しました。
その後も毎年のように怪我をしていましたが、⿅島アントラーズでのキャリアの後に移籍したヴィッセル神⼾では、プレー以外にも力を入れ、編集⻑として⽉刊誌を発⾏することになりました。 ■感謝することで希望を⾒出すことができた 弟はこれまでお世話になった監督、選⼿たち、スポンサーなど、自分が関わるすべての⼈たちに感謝しながら関係を構築していたこともあり、今では、オーストラリアや⽇本でサッカースクール(MATE FC)を経営しながら、⽇本サッカー協会(JFA)の国際委員を務めるようになり、⽇豪のサッカー交流事業を展開しています。
もし、怪我をしていなければ、このようなフィールド外の活動はできなかったかもしれません。また、感謝の力により、選⼿を引退した後もサッカー関係の仕事に幅広く従事できていると⾔えます。 どのような逆境でも、感謝することで希望を⾒出すことができたのは、⺟の前向きな感謝の教えでした。
田代 政貴 :感謝研究家