バナナが好きな人は「鬱になりにくい」「毎日食べると太る」...は本当? 知られざるバナナのメリット&デメリットを米栄養士が解説
バナナは糖分が多いという悪評がある。しかし、毎日バナナを食べるのは悪いことなのだろうか? バナナを健康的な食生活に毎日取り入れるべきかどうかを判断するために、専門家に話を聞き、バナナの健康効果をめぐる研究を掘り下げてみた。 【写真】ダイエット中の人必見!リバウンド防止に「心強い」ヘルシーフードTOP10 お話をうかがった専門家の方々: スー=エレン・アンダーソン=ヘインズ(Academy of Nutrition and Dietetics広報担当者で 360Girls&Women創業者)、ニコール・ダンドレア=ルサート( purelyplanted.com の栄養士で『The Fiber Effect』著者)
毎日バナナを食べるのは体に悪い?
簡単に言えば、答えはノーだ。そんなことはない。実際「毎日バナナを食べても大丈夫です」とスー=エレン・アンダーソン=ヘインズ(Academy of Nutrition and Dietetics広報担当者で 360Girls&Women創業者)は述べる。「アメリカ疾病対策予防センター(CDC)によると、毎日十分に野菜やフルーツを食べているアメリカ人は10人に1人しかいません。バナナを食べることは、フルーツからの必須栄養素を食生活に取り入れる素晴らしい方法です」と、ニコール・ダンドレア=ルサート(purelyplanted.com の栄養士で『The Fiber Effect』著者)も言う。 米国農務省(USDA)は、成人は1日あたり2カップのフルーツを食べるよう推奨しており、大きなバナナ1本は1カップ分のフルーツとカウントされる。バナナ2本で1日の推奨値を満たすとはいえ、もちろん多様なフルーツを食べる方がよりメリットがある。 「1日にバナナを1~2本食べるのは良いことですが、バナナ1本と他のフルーツ、そして豊富な種類の植物由来の食品を食べると、さまざまなタイプの繊維質や必須ビタミン類とミネラル類を摂ることができます」と、ダンドレア=ルサート。
バナナの健康メリット
バナナを毎日食べると、体にどんなことが起きるのだろう? 「必須栄養素がたくさん摂れます!」とダンドレア=ルサートは話すが、そのうちのいくつかの栄養素が実際にどんな作用を及ぼすか見てみよう。 ①消化の健康 を促進 バナナは3gの繊維質を含むプレバイオティック(前生物的)食品で、腸内の善玉菌の成長を促す可能性がある。「食物繊維を十分に摂っているアメリカ人は5%以下ですから、バナナは便秘を予防し、健康な消化器官を育むのに役立ちます。食物繊維の優秀かつ美味しい供給源になり得るのです」。また、バナナは消化しやすく、胃のムカつきを起こさないBRAT食の一つでもあります(注:BRATとは、低繊維のバナナ(B)、白米(R)、アップルソース(A)、白いトースト(T)のこと)。しかし、他の高繊維食品と同じように、食べ過ぎると胃腸の不快を引き起こす原因となるため注意が必要だ。 ②脳に燃料を補給 バナナに含まれる天然糖は脳と体にエネルギーを供給する上で重要だとダンドレア=ルサートと言う。だから、バナナはワークアウト前のスナックとして優秀だ。 ③繊維質の効果 バナナには可溶性と不溶性の両方の繊維質が含まれている。繊維質は消化を遅くするので、食後の血糖値の急上昇を防ぐのに役立つ可能性がある。血糖値を管理している人は、血糖値の急上昇を和らげるためにもっと繊維質を加えたい。 「もし血糖値管理に役立てるため低GI(グリセミック指数)を目標にしている人は、バナナと、タンパク質と繊維質が豊富な食品を摂取するといいですね。スナックや食事のGIを低くするのに役立ちます」。 ④体重管理 消化スピードが遅くなるメリットは他にもある。空腹感を感じにくくなることだ。バナナは低カロリー食品だが繊維質が豊富なので、健康的に体重減を目指すダイエットに適している。バナナを食べて満足感を維持するには、より多くの繊維質やタンパク質、健康的な脂肪と組み合わせるといい。全粒やナッツ類、シード類は優れたチョイスだ。 ⑤心臓の健康 「バナナに含まれるカリウムとマグネシウムは健康な血圧と心臓血管の健康をサポートします」とダンドレア=ルサート。24件の研究を評価した最近のレビューでは、マグネシウムを補充すると、心臓病の主要リスク要因である高血圧とコレステロール値を下げる可能性があると示している。また、アメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、カリウムは高血圧を改善することもわかっているという。 ⑥心の健康 最近の研究から、20年以上にわたってバナナを含む数種類のフルーツを食べると鬱になる可能性が低くなることがわかったと、ダンドレア=ルサートは指摘。 「天然由来のビタミンB、葉酸、抗酸化物質や繊維質、もしくはそれらのコンビネーションが役立っている可能性があります」と彼女。バナナに含まれるビタミンB6は気分に影響を及ぼすセロトニンを体内で生成する。また、バナナにはリラクゼーションや睡眠を助けるセロトニンの先駆体であるトリプトファンも含まれていると言う。