【大学受験2026】埼玉大、工学部に女子枠…ダイバーシティ科学専攻を新設
埼玉大学は2024年10月31日、2026年度(令和8年度)からの学部・学科・研究科の再編について発表した。工学部に女子学生入学枠を設置するほか、ダイバーシティ環境の社会実装を目指し、大学院に全国初の「ダイバーシティ科学専攻(仮称)」を新設する。 【画像】教養学部教養学科に共生構想専修課程を設置
埼玉大学では、2022年度(令和4年度)設置のダイバーシティ推進センターを中心として、2023年度(令和5年度)は全学部学生へダイバーシティ課題解決教育プログラムを展開。2024年度(令和6年度)には、リカレント教育として社会人へ向けて履修証明プログラムとして展開するなど、ダイバーシティ環境の社会実装を図っている。
2026年度からは、ダイバーシティ環境の社会実装加速化期間として、この分野を担う人材の育成を図り、地域が抱えるダイバーシティ環境の課題解決を目指し、学部・学科・研究科を再編する。
工学部には、2026年度入学者選抜から、新たに女子枠を設置。学校推薦型選抜で20人を募集する。学科ごとの女子枠は、機械工学・システムデザイン学科7人、電気電子物理工学科7人、情報工学科6人。選抜方法は、推薦書、志望の理由、自己アピール、調査書、面接、大学入学共通テスト。各学科の入学定員は、女子枠の人数分、増員するため、男子学生の門戸が狭くなることはないという。
埼玉大学によると、2024年度の学部学生全体に占める女子学生の割合35.3%に対し、工学部の女子学生の割合は12%。全国の工学部の女子平均比率(16%)も下回り、学内のダイバーシティ環境推進の課題の1つになっていた。
大学院人文社会科学研究科には、全国初の「ダイバーシティ科学専攻(仮称)」(博士前期課程)を新設する。入学定員は10人。教育、研究、医療、福祉、企業など、あらゆる分野でDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の視点をもち、実践できる専門家を養成することが目的。日本では、ダイバーシティを中核に置いた大学院レベルの教育課程が存在せず、文理融合・領域横断型の教育が必要であるため、多様な学問分野を網羅する特性を生かして現代社会のウェルビーイングとSDGsの達成に貢献するとしている。