『個性派集団』から『ONE TEAM』へ、群馬クレインサンダーズをまとめる辻直人「今シーズンはキャプテンとしての考えが大きい」
連勝ならずもチームとしてのステップアップを見せた群馬
中断期間前、最後の連戦で群馬クレインサンダーズはシーホース三河と対戦した。第1戦は前半にリードを奪われる我慢の展開となったが、後半からディフェンスと3ポイントシュートが冴えて逆転勝利を収めた。 しかし、第2戦は前日に15得点を挙げたトレイ・ジョーンズが欠場し、さらに序盤からファウルトラブルに苦しむ展開となり、第1クォーターで2桁のリードを許してしまう。第2クォーターで盛り返しその後一時逆転に成功するも、終盤に13-22のビッグクォーターを作られ68-78で敗れた。カイル・ミリングヘッドコーチは「難しい試合展開でしたが、その中でも選手がしっかりと戦い抜いてくれました。結果的には負けてしまいましたが、前半のよくなかったところを修正して戦った選手たちを誇りに思います」と苦しい状況の中でもカムバックしたチームを評価した。 ジョーンズの欠場を受けて、バックコート陣の得点面の底上げが必要だった。特にここまで、チームの日本人選手最多となる平均11.3得点を記録し、前日もチームハイの19得点を挙げた辻直人に対する期待は高かった。辻もミリングヘッドコーチ同様に「ファウルトラブルもあり、難しい試合展開となってしまいましたが、そこからステップアップできたのはチームにとっては良い収穫になりました」と第2クォーター以降の反撃を振り返った。 それでも、結果が出なかったことへの反省も話す。「トレイがいないので、出だしからアグレッシブにいかないといけないことと、みんながステップアップしなければいけないとコーチからも言われていました。そこで戦い方が大雑把というか良くないアグレッシブさが出てしまいました」 結果的に辻は9得点に留まり、4試合ぶりの1桁得点となったが、流れが行ったり来たりする目紛しい展開をモノにしようと奮闘し続けた。最大の見せ場となったのが、第3クォーターの中盤。後半開始からリードを広げられる嫌な流れの場面で、ウイングでボールを受けるとドライブを仕掛けてタフショットを決め、バスケット・カウントを奪った。さらには辻に打たせるためのシューターセットを使い、トップの位置から3ポイントシュートも続けて沈め会場を沸かし、一時逆転する立役者となった。 この時間帯、辻はパスを要求する素振りが多く見られた。「チームも個人も勢いに乗っている時間帯で、流れをつかめるのではないかと思っていました。ターニングポイントになると思ったので、思い切って行きたい気持ちと、もっと攻めたかったというのがありました」と振り返る。