[プリンスリーグ関東1部] MF砂押大翔主将は前日の抽選会で帝京の伝統を改めて実感。7度目目指し、笑顔で、全員で選手権を戦う
[11.19 プリンスリーグ関東1部第10節 矢板中央高 2-2 帝京高 矢板中央高校東泉G] 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 前日18日の選手権組み合わせ抽選会で日章学園高(宮崎)のサウサンプトン内定FW高岡伶颯主将(3年)とともに、一際多くの報道陣の取材を受けていたのが帝京高(東京)MF砂押大翔主将(3年=鹿島アントラーズノルテジュニアユース出身)だ。 戦後最多タイとなる優勝6回という特別な歴史を持つ名門校が、15年ぶりに出場権を獲得。その選手権復帰戦が、国立開幕戦(12月28日)となった。加えて、対戦相手が強豪・京都橘高に決まり、開幕戦は1回戦屈指の好カードに。規定時間ギリギリまで取材を受けていた砂押は、帝京の注目度の高さを改めて感じたという。 「もう(組み合わせ抽選が)終わった後も、色々な記者の方から色んなインタビューをされた中で、改めて自分自身と見つめ合うきっかけにもなりましたし、 改めて帝京の伝統っていうものに対して深く考える1日にはなったと思います」 ただし、その注目度の高さは重荷にはなっていないようだ。「色々SNSとかでも色んな書かれ方をしている中で、自分たちはプレッシャーや圧っていうのを力に変えれる自信はあると思ってるので、意識しすぎず、自分たちのスタイルで楽しんで、笑顔で勝てたらいいなと思っています」。抽選会翌日のプリンスリーグ関東1部・矢板中央高(栃木)戦では、技術力と判断力、連動性で相手の守りを切り崩す帝京らしさを随所で発揮。入りの甘さなどがあって2度リードされる苦しい展開も、崩れることなく戦い、後半終了間際の同点ゴールによって2-2の引き分けで終えた。 砂押は0-1の前半24分にDF裏への“絶品”スルーパスでMF堀江真広(3年)の同点ゴールをアシスト。中盤の低い位置から1本のパスで矢板中央の堅守を攻略した。砂押は選手権予選準決勝でも相手の中盤のライン、DFラインをライナー性のスルーパス1本で攻略。斜めのランニングをした堀江にピタリと通して先制点をアシストしている。 「今日特に意識はしてなかったんですけども、顔を上げた時に堀江が前回同様、相手のセンターバックの裏に走ってくれたので、同じタイミングで出せたかなと思います」と砂押。献身的な守備も光る左利きのゲームメーカーは、選手権でも結果を出すことや守備でチームを勇気づける意気込みだ。 「結果っていうのを出していきたいと思ってますし、ゴール、アシストっていうので、やっぱりチームに貢献していかないと。苦しい時間とかに、自分がゴールを決めて、チームに勇気を与えるっていうことが、自分の選手権で意識しようと思っているところで、その中で、やっぱ攻撃だけじゃなくて、守備でも、インターセプトだったり、 前を向かせない守備っていうのでチームメイトをもっと勇気づけられたらいいなと思っています」。 チームが苦しい時に砂押が発してきた「笑え!」の言葉。選手権予選を通して各選手たちに浸透し、笑顔で困難を乗り越えてきた。選手権では開幕戦から苦しい戦いを強いられる時間帯もあるだろう。だが、令和の帝京は、笑顔で、全員で、自分たちのサッカーを表現して勝つ。 砂押は「ほんとに優勝っていう目標だけを掲げて3年間やってきてるので、やっぱりそこに対しての思いっていうのはほんとに強いですし、ほんとに厳しい戦いになると思うので、部員110人で、チーム全員で戦っていきたいなと思っています」。この日の試合前には、藤倉寛監督と帝京に数々のタイトルをもたらした古沼貞雄氏(矢板中央アドバイザー)がエールを交えた会話。今冬、選手権に帰還する帝京は、先輩たちが築いてきた歴史に新たなタイトルを加える。
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