甲子園ボウルをかけた戦いの前に、改めて早稲田―関大を振り返る 小林亮生主将「ファンダメンタルでも負けていない」
中盤から関大がペースを握る
第2Q残り2分11秒から、関大の反撃が決まった。QB須田は、パスプレーで時間を消費しないように前進。敵陣8ydまで攻め込むと、最後はエースWR溝口が体と地面の間にうまく手を滑り込ませてタッチダウンのパスキャッチ。関大はタイムアウトで早稲田に時間を使わせず、残り0分49秒で再び攻撃権を得た。WR溝口へのパスで第1ダウンを得て敵陣に攻め込んだが、早稲田DB池田啓人(4年、鎌倉学園)が右のディープゾーンでパスをインターセプト。24-7と早稲田のリードで前半を終えた。 後半は関大が追い上げた。第3Q最初の攻撃シリーズでは時間消費をいとわないラン主体で攻めた。RB山嵜紀之(3年、箕面)、阪下が相次いでランで10ydを獲得。第4ダウン、ゴールまで残り2ydで関大はギャンブルを選択。QB須田からTE凪へのパスが通り、タッチダウン。試合時間7分以上を使った長いドライブとなった。これで24-14と10点差に縮まった。 流れが関大に傾きつつあったが、早稲田にはビッグプレーメーカーのRB安藤がいた。次のシリーズ最初のプレーで、左サイドを駆け抜け、75ydのタッチダウンを決めてみせた。試合は再び17点差に。 阪下が自慢の快足を見せたパントリターンで敵陣からの攻撃とした第3Q終了間際からの関大の攻撃シリーズ。QB須田は華麗な足さばきでスクランブル発進し9ydを獲得。WR溝口へのパスも決まり、最後はTE凪へのタッチダウンパスを決めた。これで再び10点差に。早稲田の攻撃を3回で止め、再び関大の攻撃権。ここでもQB須田がパス主体の攻撃をまとめ、エースWR溝口へのタッチダウンパスがヒット。ついに3点差まで追い詰めた。
「ファンダメンタルでも負けていない」
第4Q残り5分49秒、関大のキックオフ。早稲田リターナーが自陣10yd付近でタックルを受け、関大スタンドが大いに盛り上がる。早稲田OL小林亮生主将(4年、早大本庄)は「春は力で負けていた関大に、(ヒットやタックルなど)ファンダメンタルでも負けていない。自分たちを信じ切れば勝てると思った」と振り返る。 第1ダウンでRB長内一航(2年、早稲田実業)が右サイドを駆け抜け8ydを獲得。さらにRB安藤がランで細かくヤードを刻む。第3ダウン2ydでは再び長内が左サイドへのスイープで25yd前進した。敵陣に入っての第1ダウンで、ショットガン隊形から安藤が中央を突くランプレーで更に19yd前進した。最後に狙ったフィールドゴールは外し、試合時間1分5秒を残したものの、9回のランプレーを重ねて相手レッドゾーンまで進入した攻撃は早稲田の勝利を大きく近づけた。 関大の最後の攻撃を無得点に終わらせたのは2人の早稲田DBの活躍が大きかった。森慶太郎(3年、鎌倉学園)は左サイドにスクランブルに出たQB須田をロスタックルで止め、粕田俊(4年、早大学院)は右サイドを狙ったパスを2回ディフレクトした。須田はこのシリーズでもWR溝口へのパスを2回決め、50yd付近まで前進したが、無念のタイムアップとなった。