悲しき過小評価キャラ…大人になってわかる『ドラゴンボール』ヤムチャの「男前すぎる」魅力
鳥山明さんによる『ドラゴンボール』(集英社)は、世界で累計発行部数が2億6000万部を超える人気漫画だ。数多くのキャラが登場し、迫力あるバトルを展開するのが魅力のひとつである。 ■【画像】「ナイスフォロー!」ヤムチャの仲間思いな一面が伝わる名シーン■ そんなキャラの中で、特に不遇な扱いを受けているのがヤムチャだろう。かなり損をしているキャラだと思うが、ヤムチャなりの良さというものも当然ある。悪を許さない心や、仲間を思いやる純粋な気持ち……。これらはもっと評価されても良い気がする。 そこで今回は、ヤムチャが作中で見せた男前なエピソードを振り返ってみたい。
■オリジナル技である繰気弾の開発
ヤムチャは戦績だけで見るとそれほど強くは感じないが、単純に「運が悪い」という部分もある。天下一武道会で初戦に当たる相手が優勝候補レベルばかり。「負け」という結果だけを見ると、弱くて努力をしていない風に思われがちかもしれない。しかし、そんなことはない。 ピッコロが初参加した天下一武道会で、シェンと対戦した時には、新技である「繰気弾」を披露する。これは小さな気功玉のようなものを手のひらに作り出し、それを指先で自由自在に操作するという技だ。 その時点で『ドラゴンボール』の中に出てきた気功系の技で、こうした細かい操作をするものはなかった。後に同じく自在に操るような技が登場したので、まさに先駆けといった感じだろう。そうした発想力を持っているところからも、ヤムチャは決して無能ではないといえる。 技を食らったシェンも「じつに いい技でした…」と褒めたくらいなので、技の出来はかなり良かったはずだ。以来、この技は登場していないが、さらに改良を重ねれば強い技になったかもしれない。例えば、気円斬のように鋭利な状態にしたり、個数を増やして操ったりすれば、戦いの幅も広がっただろう。
■クリリンの身代わりでまさかの爆死
次は仲間に対しての行動を見ていこう。ヤムチャはかなり仲間思いなところがある。それは、悟空やクリリンと苦楽をともにしたことで仲間意識が強くなっていたからだ。 そして、サイヤ人襲来の時のヤムチャは、誰よりもクリリンの身を案じていた。一度ドラゴンボールで生き返っているクリリンについて、「もし万一のことが起こってしまえば にどと生きかえれない」と話して、自分が代わりに栽培マンと戦うことを志願する。 ヤムチャは栽培マンに圧勝するかに思えたが、まさかの栽培マンの自爆によって命を落としてしまう。もし、クリリンが戦っていたとしたら同じような結果になったかもしれない。栽培マンの自爆は誰もが予想外だったからだ。そうなると、悟空到着までに悟飯たちが持ちこたえられた可能性は低い。 そこからも、栽培マンの自爆を身を挺して教え、警戒心を高めさせたヤムチャの功績は大きいのではないだろうか? だからこそ、ヤムチャの死は決して無駄ではなかったといえる。